「略奪愛」は幸せになれるのか

由紀江さんのケースは「相手が恋人と別れたいと思っている」のがわかっている状態で、厳密に言えば略奪愛とは違うのかもしれません。

それでも、「別れていない恋人」がいる状態で自分を振り向かせようとするのは、相手に新しい可能性や希望を思わせる一方で、望む現実はまったく別の結末を招くこともあります。

自分がアプローチをしたことで相手が恋人との関係を改めて見つめ直そうとするのは、皮肉ですがそれだけ相手が恋愛に対して真摯な姿勢を持っているともいえます。

また、略奪愛には「奪われた側」の存在が必須であり、その人間と完全に縁が切れるのか、関心がなくなるのかの不安もつきまといます。

由紀江さんのケースでは、相手は今の恋人との関係をおそらく続けているかもしれませんが、逆に言えば、見つめ直した結果別れを考え、ふたたび縁が近寄る可能性だって、忘れてはいけません。

略奪愛の結果、幸せな恋愛関係になれる理想は、この「相手が今の恋人と正しく決別を選んでから、冷静な気持ちで自分と向き合ってくれること」だと筆者は感じます。

奪われた側の存在感を減らし、「略奪愛の結果の交際」ではなく「新しく関係を結んだ交際」になれることが、幸せな関係を築くのではと思います。

略奪愛は、「すでに恋人がいる人」にあえて自分を選んでもらう難しさと同時に、その後付き合えたとしても安定した関係が築けるかどうかも、考える必要があります。

人を好きになるのが自由なら、相手もまた等しく好きになる人を選ぶのが現実です。

それを忘れず、自分の「こうありたい」をしっかりと持って好きな人と向き合いたいですね。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line