物語の流れがすごくいいし、見えない部分が次々と出てくる

撮影/川島彩水

――完成作を観たときの感想は?

めっちゃ面白かったです。池永もいい意味で目立ってなくて、「地味だな。ちゃんとできたな」って思いました(笑)。最初に見たときはやっぱり客観的には見られなくて、自分の芝居を重点的に見てしまったんですけど、それでも作品としてすごく面白いと感じられて。

物語の流れがすごくいいし、見えない部分が次々と出てくるのも面白いし。「この人、まだ何かを隠しているんじゃないか?」とか、「この人からは何が出てくるんだろう?」とか、先が読めない感じが面白かったです。

もちろん僕は原作も台本も読んでいるので、話の内容は知ってはいるんですけど、実際に映像として観たときに、知っていてもハラハラさせられました。「こんな表情をしていたんだ」とか、見えていない部分もあったし、やっぱり、実際に人が演じているものだと感じ方が変わりました。

撮影/川島彩水

――本作の主題歌THE RAMPAGE「Drown Out The Noise」は、いくつかの候補曲の中から吉野さんが選んだそうですが、選曲のポイントは何でしたか。

最初は、物語の雰囲気的にホラー系というか、もう少しどんよりと暗い感じの楽曲も考えていたんですけど、途中から「いや、これはぶった切るほうがいいな」と思ったんです。感情の起伏がすごくある物語だと思うので、ロックの強いサウンドと、ボーカルの強さがあるこの曲が合うんじゃないかと。

あとは、エンドロールで流れることも考えて、あの終わり方からこの曲が来る感じがイメージ出来たんです。実際に完成作を観たときも、いい意味でぶった切っていていいなと思いました。

――個人的な感想ですが、エンドロールで聴いたとき、ここからまた物語が始まっていくような感覚にもなりました。

まさしくそのイメージはありました。どんよりした曲だったとしたら、なんかモヤモヤした気持ちになってしまうんじゃないかと。だったら、ドカーンと派手に、強いもので攻めたいと思ったんです。だから、「ロック調のサウンドにしたいです」というのは言っていました。

――歌詞も“序列”という言葉が入っていたり、映画とリンクする部分があるのですが、吉野さんからの意見も反映されているのでしょうか。

歌詞も見させていただいて、「ちょっとここは違和感があるかもしれないです」とか、修整をお願いした部分もあります。この曲は結構、制作の段階からいろいろと携わらせてもらいました。

――メンバーの反応はどうでしたか。

メンバーはまだ映画を観れていないんですけど(取材時)、曲に対しては「めっちゃカッコいい」って言っていました。いい楽曲になったと思います!

撮影/川島彩水


吉野さんもインタビューで話していましたが、とにかく、先が読めない展開の連続で、最後の最後まで「えっ?」と声が出そうになる映画となっています。クラスの全員に、いい意味でも、悪い意味でも、表と裏の顔があり、その中で「なぜ、姫山椿は自殺しなければならなかったのか」という疑問が説かれていくのですが……「Drown Out The Noise」が流れるエンドロールも含めて、映画館で楽しんでみてください。

ヘアメイク/大木利保[CONTINUE] スタイリスト/吉田ケイスケ

作品紹介

映画『遺書、公開。』
2025年1月31日(金)より全国公開