松井奏をお寿司に連れて行った

撮影/川島彩水

――本作は学園ものではありますが、みんなで仲良く、楽しくみたいなお話ではないですよね。

物語が後半になればなるほど、どんよりしていきます。撮影している教室も薄暗いので、気持ちもどんどん沈んでくるんです。クライマックスに向けて緊張感も増していきましたし、集中していく感覚がありました。

普通の現場だと、最初は緊張があるけど、段々慣れていって、ワイワイするようになってっていう流れですけど、今回は真逆でした。

©2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©陽東太郎/SQUARE ENIX

――撮影の合間とかはどんな雰囲気なのですか。

僕も今回は結構させてもらったんですけど(笑)、(共演者同士で)差し入れを囲みながら、コーヒーを飲んでおしゃべりするとかはしていました。

一通り、クラスメイトのみんなとは話しましたけど、特に(廿日市くるみ役)志田(彩良)さんとは一緒のシーンも多かったので、いろんな話をさせていただきました。

僕の中で、志田さんは(優等生の小杉麻里役を演じた)『ドラコン桜』(2021年放送)のイメージもあって、正統派というか、真面目な印象だったんですけど、実際は陽な感じで、よく笑うし、ユーモアもあるし、すごくギャップを感じて驚きました。

本当の同級生みたいな感じに、(教室内での)座席も前と後ろだから、カットがかかると「ふ~」って2人でため息をついて、「空気、重たいね~(笑)」とかって話していました。

(御門凛奈役)髙石あかりさんとは同じ宮崎県出身ということもあって、共通点もあって。(宮崎名物の)チキン南蛮の話とかをしました(笑)。

(宮世)琉弥(千蔭清一役)は、僕と一緒でアーティスト活動もしているし、俳優としてもたくさんの作品に出演しているので、他の現場の話を聞いたりもしました。今回、僕は一応、座長という立場だったので(照笑)、他の座長はどういう感じなのかとかも教えてもらいました。

撮影/川島彩水

――ちょっと軽い質問もしたいのですが、2年D組の中で、吉野さんが序列1位になれるとしたら、どんなことでしょうか。

なんだろう……この中だったら、一番、美味しいお店をたくさん知っていると思います。若い子が多いので(笑)。実際に、(松井)奏(赤﨑理人役)をお寿司に連れて行ったりもしました。そしたら、すごく感動してくれて、それからハマって一人でも行ったらしくて、そのことを連絡してきてくれました。それはうれしかったですね。人に何かを教えてあげられるっていうのはいいですよね。