突然の風邪に腹痛、頭痛……。身体に何らかの異変を感じたとき、薬局やドラッグストア、コンビニに薬を買いに行く人は多いはず。でも一体なぜ、数ある商品の中からその薬を選んだのか、自信を持って説明できる人は少ないのでは?
 

「市販薬は最低限の知識をつけるだけで、驚くほど賢い買い物ができます。逆に言えば、知識をつけなければ、いくらでもムダな買い物をしてしまうということ。知名度やイメージで薬を選ぶ時代は終わりました」

と話すのは、発売2ヶ月で6万部のベストセラーとなっている『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 よく効く!得する!市販薬早わかりガイド』著者でサイエンスジャーナリストの中川基さん。

そこで今回は市販薬の中から、私たちがお世話になる機会が多い頭痛薬・風邪薬の正しい選び方を教えていただきました。

 

頭痛薬の選び方:“市販薬最強”はロキソプロフェンナトリウム

薬局やドラッグストアで「内服用痛み止め」として売られている頭痛薬。医療用医薬品用語でいうと「解熱鎮痛薬」と呼ばれ、用法や種類もさまざまですが「薬局で買える薬に限定すると、わずか数種類の成分しかないため、医薬に詳しくない方でも覚えきれます」と中川さん。

成分をいくつか見ていきましょう。

 

・アスピリン(アセチルサリチル酸)
「鎮痛効果は並といったところ。ただし、あの『バファリン』(ライオン)でさえ胃への負担がゼロではなく、胃の弱い方は注意が必要な成分です」(中川さん、以下同)

⇒商品例:バファリン(ライオン)、バイエルアスピリン(佐藤製薬)

・アセトアミノフェン
「鎮痛作用も解熱作用も高く、副作用もまずない、と良いことずくめな成分。十数年前からアスピリンを押しのけて、『解熱鎮痛成分といえばコレ!』と定番の位置にある薬です。注意点としては風邪薬にも多く含まれているので、頭痛薬に加えて風邪薬を飲んで……となると許容量を超えてしまうことも。飲みすぎると毒性を持つので、分量には気をつけてください」

⇒商品例:タイレノール(ジョンソン・エンド・ジョンソン)