期待の若手俳優からベテランまでが物語を盛り上げる

血の繋がらない両親に対して、双子の兄妹はそれぞれ違う思いを抱く。

母ヨンスの能力を誇りにも思う天才ハッカーの兄ジフン役を、『代理リベンジ』('22)、『ブランディングイン聖水洞』('24)と主演作が続き波に乗るロモンが7キロ減量して演じた。

一方のジウは、スマホも写真もNGというヨンスに「本当の母親でもないくせに」と仏頂面で反抗してばかり。だが、やがてヨンスの自分たちへの思いの深さを知って、ぎこちないながら変わっていく。

ゴスロリメークでジウを演じたイ・スヒョンはこれがデビュー作。アイドル練習生として2年間過ごした後モデルに転身し、本作にはオーディションで選ばれた。

ジウの心情の変化や、172センチの長身を活かした回し蹴りは見もの。これからの活躍が楽しみな新人だ。

家族の要となる祖父ガンソン役は1970年代から活躍するベテランのペク・ユンシク。謎めいた人物をひょうひょうと演じて、殺伐としたドラマに明るさをもたらしている。

他に、キーパーソンとも言える牧師ミョンファンを、政府高官も務めた有名俳優の父を持ち、UCLA大学院と英国王立演劇学校を卒業したナム・ユンホが演じた。

演劇界で実力を認められ、'23年の大ヒット映画『ソウルの春』で広く知られるようになった彼が、穏やかそうだが怪しげなミョンファン役でさらに認知度上昇中。

また、映画『毒戦―Believer』('18)で、麻薬組織のボスの愛人役で強烈な印象を残したチン・ソヨンが「特教隊」教官役で友情出演している。

そしてもう一人、教会の信者ギルジャ役のキム・グッキの驚くべき怪演が見逃せない。

『ムービング』では美容師として潜伏していたところを、フランクに追跡され殺されてしまう超能力者を演じていた彼女は、小劇場ミュージカルを中心に活動し、映画やドラマの助演として活躍する実力派。

本作の演技が評価され、第61回百想芸術大賞で助演女優賞にノミネートされ注目を集めている。

ここで紹介した以外にも、舞台となるクムス市の人々を演じるキャストも魅力たっぷり。

ひとクセもふたクセもある個性派ぞろいの俳優たちがドラマを盛り上げた。

家族計画
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『韓流ぴあ』ブレーンライター。香港映画から始まって韓国エンターテイメントの魅力に目覚めて20数年。ドラマをはじめとする韓国エンタメについて取材・執筆する日々の中、韓国作品のほかに中国時代劇や台湾作品に割く時間が増加中。

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