廉とでも、同じ出来事を経験していても感じ方は違う
©2025「君の顔では泣けない」製作委員会
――芳根さんとのお芝居はどうでしたか。
すごかったです。芳根ちゃんは現場の空気を作れる人で、主演であり、現場のムードの舵取りをされていた印象です。ずっと笑顔でみんなのモチベーションを上げてくれていました。すごく気を遣う人だから、たぶん自分の本心を見せないようにしている瞬間もあったのかな?と思います。
すごく難しい役でもあったし、1日に何シーンも撮ることもあったけど、大変なときも芳根ちゃんは「元気! 元気!」って言っていて、「マジ!?」ってなりました(笑)。
そういう人ってすごく素敵だなと思うんです。僕らの仕事は、たくさんの人が支えてくださるから、気を抜くと甘えられちゃう環境だとも言えて、だから自分もなるべく周りに甘えすぎないように気を付けてはいるんです。だけど、芳根ちゃんは甘えない上に、周りを助けていくことをしていて。そのためにギアを上げている瞬間みたいなのを見ると、本当に人間としてできている、素敵な人だなと感じました。
今回ご一緒させていただいて、すごくいい経験になりました。やっぱり今回の役は二人で話し合って、支え合っていかないと進めていけなかったと思うから、たくさんリハーサルをして、役についていっぱい話せたことは大切な時間だったと感じています。
©2025「君の顔では泣けない」製作委員会
――この役を演じたことで、感じたことはありますか。
自分の人生はやっぱりオンリーワンだなと思いました。まなみと陸は体が入れ替わっていて、まなみは陸の人生を借りている感覚ではあるけど、入れ替わった時点から積み上げている人生はまなみが持ち主じゃないですか。
思い出とか、記憶とかは、心の持ち主のものになるからこそ、この二人は「入れ替わり」を「戻す」ということに対しての気持ちが揺らいだんじゃないかと思いました。自分が頑張ってきたこととか、自分が経験したことは、やっぱり自分だけの宝物だし、誰にも渡したくない。
例えば、僕の場合、これだけ近くでずっと一緒にいる(永瀬)廉とでも、それぞれ視点が違うから、同じ出来事を経験していても感じ方は違う。例えば、自分と姉も血は繋がっているけど、世界の見え方とか、感じ方は違う。そこが人間の面白いところなんだとも思いましたし、どう見えたか、どう感じたかが自分だけの宝物なんだと思います。
この作品は、そんなふうに、自分の人生が特別なものだと思ってもらえるきっかけになると思っています。沢山の方に自分の人生を素敵だと思っていただければ嬉しいなと思いますし、僕自身も改めて自分を大切にして生きていこうと思えました。
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体が入れ替わったキャラクターを演じることの難しさを語っていた髙橋さんですが、髙橋さんの表現した水村まなみは、言葉にはしない感情もその表情や仕草から伝わってくる繊細で素敵な人物となっています。
ぜひ劇場のスクリーンで、髙橋さんが悩みながらも向き合い続けた水村まなみの心の機微を感じ取ってもらいたいです。
作品紹介
映画『君の顔では泣けない』
2025年11月14日(金)より全国公開






































