SUVのデメリット4つ

1. 車内空間が狭い

続いて、ミニバンと比較した場合の、SUVのデメリットを見ていきましょう(裏返せば、これがミニバンのメリットということになります)。

まず何と言っても、車内空間の狭さ。SUVは、この点では勝負になりません。見た目は大きいようでも、車内はセダンと同じつくりです。

前後の座席間はウォークスルーではありませんし、後部座席の中央足元には、センタートンネルの出っ張りがあり、床はフラットではありません。シートアレンジも極めて限られているケースが大半です。

デザイン重視のため、天井が低く、窓の面積も限られているのも、不利なポイント。車種によっては後方の視認性が制限されているケースすらあります。

一方のミニバンは、床はフラットフロアで、シートアレンジも豊富。天井も高く、窓の面積も大きいため、数値以上に、圧迫感が少なく、快適に過ごせる設計となっています。

2. スライドドアではない(子どもがドアを開けてぶつける)

ファミリー特有の悩みとして、子どもが開けたドアがぶつかってトラブルになる、という問題があります。

駐車場で、壁や柱にぶつけただけであれば、自損で済むかもしれませんが、車にぶつけて傷を付けてしまったとしたら、もう大変……相手が高級外車だったりしたら目も当てられません。

スライドドアは、開口部が大きく乗り降りしやすいだけではなく、ぶつけずに済む、という点でも、子連れファミリーにとってはとてもメリットが大きいシステムになっています。

SUVは、スライドドアではないため、ファミリーにとっては大きなデメリット。我が家の場合、子どもたちが成長して、衝動的にドアにを開けてぶつける心配がほぼなくなったのもあって、SUVの購入に踏み切れました。

3. 荷物を意外と詰めない

SUVは、見た目には大型に見えるものが多く、たくさん荷物を積めるイメージがありますが、ミニバンと比較した場合には、大きく劣ると考えたほうがいいでしょう。

5人乗車したケースを考えると、ミニバンは、3列目のシートを折りたたんで荷室にできるため、まず荷室の奥行きで何割か劣ります。もちろん天井も低いため、高さでも劣ります。

これだけもかなりの差ですが、加えて、デザイン重視のSUVは、荷室のタイヤハウスの出っ張りが大きかったり、側面の壁が歪曲していたり、荷物の積み方に制限があり、数字ほどの容量を実感できないケースが多いのです。

4. 5人以上はどう足掻いても乗れない車が多い

SUVの多くは、旧来的なセダン型のレイアウトですので、運転席1名と助手席1名、後部座席に2名、狭いですが後部座席中央に1名と、最大定員5名です(マツダ「CX-8」のように、3列シートのSUVも存在します)。

夫婦と子ども2人と考えれば、定員5名で必要十分ですが、お友達親子を乗せる、祖父母を乗せる、となると、即座に定員オーバーとなってしまいます。

家族構成や、生活スタイルにもよるのですが、いざというときに柔軟な対応ができないのは、ミニバンと比較して、SUVをファミリーカーにするデメリットと言えます。

SUVのメリットは意外と少ないけれど!

以上のように、実用性の観点からすると、SUVのメリットはほとんどない、というのが、実際に子育てをしながらSUVに乗っている実感です。

それでも私がSUVで良かったと思っているのは、私自身が運転が好きなタイプで、走らせるのが気持ちいいから。

プラスして、プライベートおよび仕事で、年間60日ほどは、キャンプやスノーレジャーに行くからです。

運転が好きで、アウトドアレジャーもよく行く方なら、ファミリーでの実用性をある程度犠牲にしてでも、SUVに乗る価値はあります。

逆に、車は移動のための箱なのだから、何よりも使いやすさだ、という場合は、ミニバンのほうがおすすめです。

車の位置づけや、利用スタイル、何を優先するかによって、大きく変わってきますので、ぜひ各家庭で詳しく検討してみてください。