本作は、ストーリーのテンポもよく、小難しいことを一切考えずに誰もが楽しめる作品になっている。それは、キャラクターの魅力に因るところが大きい。
モンジュンは、とにかく口が悪くておせっかいで、近くにいたら、嫁じゃなくても200%ストレスを受ける厄介なおばあさん。そんな彼女が若返っても中身が変わらないワケだから、テレサも当然ながら、性格がキツくて“小娘のくせに”やたらと説教臭い。でも、その小言から感じられるのは、実は親心ともいえる優しさや愛情。若い頃にはわからない、人生経験の豊かさに裏づけされた知恵だとか知識だとかをたっぷり教え込んでくれる(けれど、やっぱりウルサイ! 笑)。そういった人生の厚みを感じさせる、若い娘にはアリエナイ言動が生むギャップが、観客を大いに笑わせ、劇中の登場人物同様にいつの間にか惹きつけられていく。
そして、忘れてはならないのが、3世代の“いい男”の存在。40年代、80年代、90年代生まれのタイプも年齢も異なる3人の“イケメン”がヒロインに恋する模様がコメディタッチで描かれている。映像中でも3人が並ぶシーンがちらほら。そんなイケメンたちと、テレサ(モンジュン)のドタバタな恋の行方が気になるところ。
40年代の代表は、ワン・ダーシュン演じるおじいさんリー・ターハイだ。昔、モンジュンの家で奉公していたターハイは、一途にモンジュンを想い続けている。消えたモンジュンを探し、テレサの正体を知って支え続けるのは彼だ。モンジュン(テレサ)がくれるからという理由で、桃アレルギーにもかかわらず、桃を食べ続けるというけなげなさや、若者に負けじと頑張るお茶目さもあって、なんとも可愛らしい。(本当にいじらしくて涙がでるかも)