――歌広場さんのイケメン観を確認したところで、今年1年を振り返って、どんなイケメンが心に残ったのかを伺いたいです。
サンリオのシナモロールのことは「イケメン」だと推し続けたい!
歌広場:サンリオのシナモロールですね! 僕は彼を推し続けていますし、彼には「イケメン」だと声に出して言いたい理由が存在します。「サンリオキャラクター大賞」を2連覇しても、まだシナモンのことを「ウサギの女の子」だと思っている人がたくさんいて……! シナモンは「犬の男の子」だということを、世間に認知してもらうためにも、彼のことは「イケメン」だと推し続けたい!
一発目から反則感が出てきたかも知れませんが、イケメンというのは、顔の造形が整っているということが含まれていることもありますが、突き詰めると物理的なものじゃなくて概念なんです。
「イケメン」の「メン」は「面」だけでなく、「メンタル」の意味合いも含んでいる
――歌広場さんは、高木ユーナさんのインタビューでも、「イケメン」の「メン」は「面」だけでなく、「メンタル」の意味合いも含んでいるのだとおっしゃっていました。
歌広場:たとえば、顔の良い殺人鬼がいたとしても、それは「イケメン」ではないんだと思います。この人を推したことによって、自分自身の精神や存在が肯定されるような人。それがイケメンなのかもしれないなと、最近考えるようになりました。
――そう考えるようになったきっかけはあるのでしょうか?
歌広場:今年『劇場版ドルメンX』を観たんです。
――宇宙人たちが地球を征服のためにアイドルを目指す話ですよね。以前このサイトでも、原作漫画の作者である高木ユーナさんのインタビューを行ったことがあります。この作品には、さっきおっしゃっていた「イケメンって物理じゃなくて概念だから」というセリフが出てきます。
歌広場:映画版でも志尊淳くんら、錚々たるイケメンが宇宙人を演じているんですよ。でも、アイドルとしてはうまくいかない。そこで主人公たちは「イケメンは概念」ということを学ぶんですよね。映画を観ている僕も「たしかに!」と、そのことに改めて気づかされたというか、衝撃を受けました。
つまり、シナモンは「概念としてイケメン」だなと僕は思うんです。すごく!
『ヒプノシスマイク』この数ヶ月でハマりました
――なるほど。ちなみに、最近歌広場さんのTwitterを拝見していると、『ヒプノシスマイク』の話題もよく出てきますね。
歌広場:シナモンの後に『ヒプノシスマイク』、2次元系ばっかりでいいのでしょうか?
――「Medery.」は全次元のイケメン対象なので問題ありません。
歌広場:以前から『ヒプノシスマイク』という名前や、なんとなく「声優さんがラップをするらしい」という程度のことは知ってたんですけど、この数ヶ月でハマりました。
これまでにも2次元の男性アイドルのゲームやアニメなどはたくさんあったし、そのキャラクターソングが人気を博していることは多々ありました。でもラップって少しハードルが高いと思うんです。何故かというと、自分も含めて多くのオタクの人の日常の延長線上には、歌はあってもラップはないと思うんです。
――TV番組「フリースタイルダンジョン」を通して、日本語ラップのファン層が広がったり、アニメ『Devilman Cry Baby』でも、作中にラップを組み込むという試みが行われていたりはしますが、多くのオタクの人にとっては馴染みが薄かったといえますよね。
歌広場:おそらくは声優さんたちもそうだと思うんです。
――山田一郎役の木村昴さんのように、もともとヒップホップが好きだと公言されている方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は初挑戦だったかと。
歌広場:だからこそ、覚悟を感じたし、こちらにも覚悟が必要だと思っていたんです。それでしばらくは手を出せずにいたんです。
――そんな気負わなくても!
歌広場:そもそも僕って、どこかしら「ひっかかり」がないと、何かを好きならないタイプなんです。流行ってたらなんでも好きになるというわけでもない。
――では、『ヒプノシスマイク』の中で、歌広場さんがひっかかった部分とは?