女の子に有効なアプローチとは?
とにかく失敗を恐れる女の子は、得意な科目よりも苦手な科目のことが気になってしまいがち。そもそも、苦手というのも、本人がそう思い込んでいるだけの場合もありますから、もったいない話です。
たとえば「10問中6問しかできない」からその科目が苦手だと思い込んでいる女の子がいたとしたら、客観的にそうではない根拠を指し示してあげましょう。
「10問中半分以上できている」「半分以上できている人の方が少ない」、ということは、「○○ちゃんは、本当はこの科目、苦手ではないんじゃない?」といった具合に納得してもらうのです。
苦手や嫌いな科目は、悪い点を取った時の言い訳になりかねません。早めにそういった意識を取り除いてあげる工夫が必要なのですね。苦手な科目は普通にできるくらいまでに引き上げられれば、バンバンザイです。苦手科目に足を引っ張られることなく、得意科目はさらに伸ばせば、慎重な女の子でも自信につながりますね。
また、男の子とちがって、女の子は大きな目標を立てることを嫌う傾向にあるそうです。大きすぎる目標よりも実現可能な目標を達成すること自体が、モノではなく、心の報酬になるからです。
男の子には細かい計画は向きませんが、女の子には、具体的に月の目標を決め、その目標達成のための週ごとのタスクを決め、さらには一日単位の計画を立てても大丈夫です。
どんなに小さなことでも、ひとつひとつこなして行くことが、女の子の達成感につながるのです。その時に、一緒になって喜んであげられる親でいることが、女の子には大事なことをお忘れなく!
気分のアガる環境づくりが大事
女の子の学習するモチベーションを上げるには、没頭できる環境づくりが必須です。かわいい筆箱やキャラクターのついたペンなど欲しがる場合は、モチベーションアップへの投資だと思って、買ってあげましょう。
ただし、女の子に持ち物にばかり気をとられるような傾向がみられたら、勉強から心が離れている証拠ですので、気をつけてあげてくださいね。
また、勉強する環境についても、男の子とはちがった配慮が必要になってきます。昨今は、リビング学習がブームで、子ども部屋を作るよりもそちらを選ぶ親も増えているようですが、女の子、特に勉強のできる小学校高学年の女の子ほど、自立心の芽生えも早いもの。
家族がごちゃごちゃといるリビングルームでは、学習に集中できずイライラしてしまう女の子には、周囲の目が気にならない個室での一人学習が向いています。
ちなみに部屋に閉じこもって勉強していた女の子が、入試直前になるとリビングに出てくることがありますが、これは試験が怖くなってくるからだそう。そんな時は、女の子の不安や緊張を解消し、リラックスできる環境をつくってあげましょう。
ママはロールモデル!
女の子は、しっかりとした信頼関係を築いた人のアドバイスは聞いてくれるもの。共感に満ちたフォロー体制を家庭に常備しましょう。女の子にとって家は精神的なよりどころ。
女の子に意見する時は、細かく指示やアドバイスをしすぎると、価値観の押しつけになり、逆効果です。繰り返しますが、まずは共感、そして次にどうしたらいいかは一緒に考えていけばいいのです。
そして、女の子にとって、ママはロールモデル、将来を考える時の見本なのです。
たとえば算数の成績が上がらないことに悩む女の子がいたら、「ママも昔は苦手だったんだ」と同じ地点に立って、自分の失敗話を正直に話してあげてみるのです。
「失敗もしたけれど、だからこそ今は充実した人生を送っているよ」というメッセージが伝われば、失敗をネガティブにとらえがちな女の子の気持ちも楽になるでしょう。
実際に苦手だったかどうかはこの際、あまり重要ではなく、また、完璧なママである必要もありません。受験に成功した男の子が成功を自分ひとりの手柄にするのに対し、女の子は合格を親と一緒になって勝ち取ったものとして喜んでくれる場合が多いそう。女の子の共感性の高さがそうさせるのですね。
また、女の子の成功には笑顔が必要、と富永さん。スポーツの世界でも、笑顔がはじけているチームや選手が好成績を残すのだとか。2011年の女子ワールドカップのなでしこジャパンを思い出しますね。
ぜひ、がんばっている女の子に日頃から、笑顔を絶やさず接してあげてください。
そして、叱るとしたら、的確に根拠を示して淡々と。納得できる叱り方であれば、それは「自分のことをわかってくれている」という信頼につながります。また、ほめる時も、理由なくほめることは逆効果ですので、ご注意を。
まとめ
女の子はルールをしっかりと守れる反面、周囲の環境や人間関係に左右されやすい繊細なところがあります。「親も一緒に戦っている」という姿勢を見せることが女の子に安心感を与えます。
もちろん、個人差はあり、男の子っぽいところがある女の子もいると思いますが、まずは女の子にとっては叱るよりほめる、ほめるより共感すること大事、そして家庭での親のあり方が大事、ということを覚えておきましょう。
姉妹編にあたる『男の子の学力の伸ばし方』と一緒に読めば、より理解が深まり、我が子だけにカスタマイズした学習方法がみつかるでしょう。