「もう習った。知っている!」と騒ぐ子に対しては

担任の役割

子どもは自分が分かっていることは手を挙げて言いたがります。これは自然の姿、決して天狗になって威張っているのではなく、単純に知っているから話したいだけなのです。

ただ、違う子を指名したのに、指されていないのに横入りして回答を横取りする子もいます。

こうなると担任によっては「これだから早期教育している熱心な保護者の子は困るんだよな。やりにくいな」と感じます。

ただ、現実は幼児期の家庭の教育環境や通っていた保育園、幼稚園でどの程度、学習的なことを習ってきたかで入学後の知識や情報量は子どもによりかなりの差があります。

こんなときは「やりにくいから、幼児期に教えないでほしい」と言うのではなく、担任は次のように子ども達に教えてほしいと思います。

集団で授業をする場合

  1. 指名されていないのに答えないこと。花子ちゃんが差されているのに太郎君が答えないことを担任がルールとして教える。「なぜ、指されていないのに答えてはいけないのかというと、自分がせっかく答えようとしているのに、答えを言われてしまい悲しい気持ちになるからです」と説明する。
  2. 先生が話をしているときは、知っていることがあっても静かに聞いていること。まだ知らない人も大勢いるので知っていても黙っていること。

これらのことをクラス運営をする上で教えていくのも先生の役割です。

別の子に指名しているのに答えてしまう子がいた場合は「あら、あなたは○○ちゃんではないよね。先生は○○ちゃんに質問しているから静かにしていようね」とルールを教えていけばいいのです。

「知りすぎていると小学校入学後、授業を妨害するから、幼児期にいろいろ教えないでほしい」と言うのはある意味、先生の都合だと思うのです。

漢字で名前を書いたら叱られた子

話は変わりますが、自分の名前を幼児期から漢字で「山田幸子」と書ける子がいました。すると「まだ漢字を教えていないから、ひらがなで書きなさい」と氏名の上に大きな赤い×をされてしまいました。

漢字を間違っているのならばまだしも、あっているのに×。親が「幸せな子になってほしい」と思い命名した「幸子」の名前に×をするのはおかしいと感じた保護者でした。

そのことを学校に抗議すると「他の子が読めないので、ひらがなで書いてください!落とし物をしたときに届きませんよ!」と反論されてしまいました。むしろクラスの子を正式名称で書くことで、どの子にも漢字の勉強になるのではないでしょうか?

更に作文で「プール」「カレーライス」とカタカナで書いたら「まだ教えていないから」という理由で「ぷーる」「かれーらいす」と書き直しを強いられた子もいたので驚きです!

家庭では

 “誰かが話している最中に割り込むことをしないしつけ”をすることは必要です。3歳くらいまではいいのですが、4歳過ぎたら少しずつ教えていきましょう。

幼稚園、保育園での送迎時に担任と親が話しているとき、子どもが話しかけてきたら「今、先生と大事なお話をしているから静かに待っていようね」と言うのです。

知りすぎていて飽きてしまうことはありませんので、安心して小学校に入学させましょうね。