11月に入り、いよいよマラソンのハイシーズン突入となりました。この時期にマラソンレースに参加される方は、常に「コンディション調整」を意識しているのではないでしょうか。
フィジカルトレーナーであり、フィットネスモチベーター、米国スポーツ医科学認定ヘルスフィットネススペシャリストの中野ジェームズ修一さん。パーソナルトレーナーとしても活躍する同氏は、自著『ランナーのためのコンディショニングカレンダー 毎日の走りがググッと良くなる』で、「11月の走り方」について紹介しています。
同書は1月~12月のそれぞれの月にあった走り方を教えてくれる一冊。そんな中、気になる「11月の走り方」について今回は考えてみたいと思います。
この11月はマラソンのハイシーズン。だからこそ気をつけたいポイントがあるのです。それが、「距離へのこだわりはなくす」ということ。中野ジェームスさんは、11月こそ、距離にとらわれてはいけないと警鐘を鳴らしています。
この11月は、すっかり走りやすくなってきた時期。月間の走行距離が順調に伸びているランナーもいらっしゃるかと思います。しかし、それは、「体に疲労がどれだけ蓄積されたか」と「=」で結ぶことができるのです。
走れば走った分、体に疲労が蓄積されますし、もちろんその距離が長い人ほどケガを抱えていたります。数字に見えるので、ついこだわってしまいがちな走行距離ですが、効果的なトレーニングのために、いったん、その呪縛から逃れてみませんか?
というのも、一般のランナーでも「オーバートレーニング症候群」になることもあるようです。この状態が続くと、自己ベストを出すどころか、せっかく楽しいランニングも諦めざるを得ない状況になることも。
しっかり練習をしているにも関わらず、パフォーマンスが上がっていないと、それはオーバートレーニングの可能性があると同氏は指摘しています。
たとえば、自己ベストを出せたときの月間走行距離にこだわって、常にそれと同じ距離、あるいはもっと長く走ろうと頑張り過ぎてはいませんか? それなのに、走行ペースが上がってこないとしたら、それは走り過ぎだと考えていいでしょう。そこには、練習の『成果』ではなく、『疲労』だけが積み重なっている可能性があります