「パパ育て」が子育て負担を軽減する一番の近道
先述の記事を書いた山崎俊輔さんは、こんな提案もしています。「夫を立派なイクメンに! 簡単“パパ育て”で育児も家事もグッとラクにする方法」。
何よりもまず、ママひとりで抱え込まずに負担をシェアすることが大事なようです。
(1)下手でもあえてパパに全部やらせてみる
まず、「うちの夫は家事をやってくれない!」と嘆くママに言っておきたいことがあります。それは、家事育児に完璧を求めてはいけない、下手でもいいので、とにかくやらせるしかない、ということです。
完璧を求めると、パパに家事育児を任せることはほとんど不可能になります。
なぜならその完璧というのは、自分で全部やった場合にしか納得できないものだからです(自分で全部やっても納得できないこともある!)。
子育てや、子どもがいる家庭の家事についてはどうしても理想を求めてしまいます。しかし、現実の生活においては続けられるかどうかのほうが大切です。
そしてひとりでママが抱え込む限り、いつかは倒れてしまうかストレスで大爆発することになります。
下手でもいいので、とにかくパパにも家事をやらせてみてください。家事でも育児でも経験値が貯まるとそのクオリティは徐々に上がっていきます。
「まだレベル1なのだから下手でも時間がかかっても仕方ない」と考えてください。そして下手な仕上がりでも、ダメ出しではなく「ごくろうさまー」と声をかけてあげてください。
何だかんだいって、褒めて伸ばすほうが言われる方も気持ちいいし早く伸びるからです。
(2)たまにはママが家事育児の手を抜いてみる
何でも全部ママがこなしてしまわずに「この子の親は私ひとりではない」と、パパに家事育児を投げてしまうことも重要。
「『ズボラ妻』が夫を育てる!? イクメン家庭に見られる5つの法則」では、思い切ってズボラ妻になってみたらイクメンが誕生する、と書かれています。
イクメン家庭の妻たちは、家事が苦手だったり、苦手というほどではなくても、性格がズボラで大ざっぱだったりと、要するに家事に対してちょっとテキトーな人が多いのです。
ズボラ妻たちにリサーチしてみると、程度の差はありますが、洗濯物を取り込んだまま何日も放置とか、食器を洗うのが面倒になって寝てしまうということが日常茶飯事。
気がつくと、夫が必死でたまった洗濯物を畳んでいる光景や、早起きして食器を洗っている光景をよく目にします。
こういったズボラ妻の夫は、妻を助けているというより、これ以上家事をためると自分の生活に支障が出るので、仕方なく行動しているものと思われます。
しかし、このパターンが積み重なると、夫が家事をする割合は自然に、着実に増えていきます。
育児に関しても、妻が不器用なため、子どもの歯磨きや入浴がイマイチうまくできなかったり、子どもも「ママがやると痛い」と不満をもらすため、結局あれもこれも夫の役目になっていくという傾向も……。
ここまでで判明したことは、ママがパパをどれほど信頼して家事育児を任せられるかがポイントになるということ。
スキルゼロから“家事メン”へと変える5つのルール
最後に「“家事スキルゼロ夫”育成の5ヶ条を、ファザーリング・ジャパン理事に聞いた」を紹介します。ファザーリングジャパンの横井寿史さんはこう提案しています。
(1)どの程度求めているのかを話し合う
まずは、夫にどの程度のことを求めているのかを真剣に伝えることです。一方的に話すのではなく、話し合いをしてください。お互いの仕事や負担などを話し合い、双方が納得することが大切です
(2)“その時だけ”のお願いはしない
話し合う作業を面倒くさがってはいけません。
面倒くさがって、自分のできない時だけ「○○して」と頼む女性がいますが、これはよくない。これでは「家事の担い手として主が私で、従があなた」と言っているようなものです。その時だけ頼むというやり方では、いつまでもやらされているという感覚から抜け出せません。
(3)こだわりはやめて、家事を標準化する
家事のやり方にこだわる人は多いと思いますが、夫にもやってもらうにはすべての家事のやり方を標準化することです。その人にしかできない、という家事はなくしましょう。
やり方が違うとぶつかることもあるかもしれませんが、育った環境が違うのだから仕方のないこと。やり方を統一し、誰にでもできるものに変えてください。誰にでもできるので、子どもだって手伝いやすいですよ。
(4)夫の上司にならない
講演の時にもよく伝えることですが、夫の上司にならないように注意してください。現状、家事スキルが低いのであれば、すぐに上達しなくて当たり前。経験が必要です。
失敗したり、時間がかかっていても、厳しく責めることははやめましょう。そんな鬼上司の元には帰りたくないと思ってしまいます。
(5)ほめて、感謝する
やってくれたら、ほめたり感謝の言葉を伝えるのは効果的です。女性だって、いつもの家事に対して「ありがとう」と言われたら嬉しいですよね。
家事が自分事になった男性は、妻がやった家事に対しても「やってくれて、ありがとう」と言うようになります。お互いに助け合い、自然に感謝の言葉が出るような関係を目指しましょう。
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子育てと同時にパパ育てを実行していくことで、ママも笑顔になっていくという素敵な公式ができているようです。
「最近、夫にイラついてしまうな……」という人はぜひ笑顔を取り戻して、お子さんとかけがえのない時間を楽しんでください!