そうです。責任の重みを感じています。「アメリカ」の振り付けは、稽古場最終日にやったんですが、その様子を見ていた今回共演する方が、

「今日初めてアメリカの振り付けを見て、本当にこの作品に自分が出られるんだと思ったら、涙が出そうになった」

っていう内容をTwitterで書いてくれているのを見たんです。それを見て、「アメリカ」っていう曲は、『ウエスト・サイド・ストーリー』の曲だと認知されている重みをすごく感じました。ほかにも、今回一緒に「アメリカ」を踊る女の子も、

「この<アメリカ>を、歌って踊れる人は、日本で数人しかいない。その中に自分が入れたことがすごく幸せなんです!」

「本当に佐江さんについていくので!」って言ってくれて、本当に嬉しくて。もっともっと「アメリカ」に対して、思いを強く持たなきゃいけないって、周りから感じている部分もすごくあります。

ほかにも、アニータは「私は私。今、アメリカで生きている幸せを楽しむの!」っていう思いを表現しているんですが、アニータが「ハッピー」を表現すればするほど、周囲で起きている「悲しみ」と対比したとき、「悲しみ」がより一層、際立ってくると思っていて。

でも、私のアニータは、まだ、そこまでの「ハッピー」を伝えきれていないと思っているんです。

その技術がまだ、私にはなくて。。でも、今はまず、自分の中にアニータを落とし込んでいかないといけないと思ってます。それがすごく難しい…。ヒントはどこから見つけられるか、本番中も、常に頭に入れながらやっていくだろうと思ってます。

--それが舞台のおもしろさ、といえるのかもしれませんね。

そうですね。私が舞台を好きだと思うのは、やっぱりそこだと昔から感じてます。

同じ人間がやっていても、その日の台詞の雰囲気が変わるだけで、相手の反応も変わってきて。リアルにコミュニケーションをとれるのが、舞台の楽しさだと思っているから。

芯は変わらないけど、毎回違うアニータとして、1回1回の公演を楽しんで、舞台に生きたいと思ってます。

がんばる…、がんばるね…!

--千秋楽までの完走、応援していますよ! 次回の取材では、本番を迎えた後の公演中の心境もお聞きできるかと思います。今回もたくさんのお話、ありがとうございました!

ありがとうございました!

次回の更新は 3/6(金)予定です。

撮影:山田大輔 スタイリング: 藤井エヴィ ヘア&メイク:伊藤遥香

1990年8月13日生まれ。東京都出身。O型。AKB48のメンバーとして活躍。2016年4月1日に旧チームK特別記念公演でグループを卒業。『王家の紋章』、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』、『TOKYO TRIBE』、ユーミン×帝劇vol.3『朝陽の中で微笑んで』、地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』、『ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2』などに出演。連載から生まれた書籍「これさえあれば。」が発売中。Official

バックナンバー