[第10回]宮澤佐江、"絶対に"一緒に舞台に立てない共演者。弱音、励まし、そして多くの学び【『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2】

 

－－さあ、佐江ちゃん。今回もよろしくお願いします。

よろしくお願いします!

－－現在、絶賛公演中のブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2。前回に引き続き、作品のお話をたっぷりお聞きしていきますよ!

はい! ありがとうございます!

（編集部註:取材日は1/23。『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2の開幕を約1週間後に控えた、稽古期間中にお話を聞きました）

－－前回は、ハードなダンスと、歌やお芝居について「課題が山積み」を通り越して、「山山積み」と話していた佐江ちゃん。たくさんの課題で大変そうですね。

身体と頭を使いすぎると、ドーパミンが出すぎるのか寝られないタイプなんです。疲れた感覚がなくなって、頭が冴えちゃって。そんなときは、身体のケアを念入りにしているんですが…。

“大丈夫かなぁ。大丈夫かなぁ”って、頭の中でずっと心配してるんです。これまでのどの作品とも違うというか。本当に、作品によってこんなに違うんだなぁって思います。

でも、そこが楽しいんですよね。

－－心配や、大丈夫かなと思う気持ちが、早く楽しさに変わるといいですね。

弱音ばっかり吐きまくりの私ですが、ダブルキャストのMay J.さんには、いつも弱音を聞いてもらってます。

メイ(May J.)さんって、本当に素敵な人なんです!

－－May J.さんは『ウエスト・サイド・ストーリー』が初めてのミュージカルご出演なんですよね。

そうなんです。メイさんは、初めてのミュージカルでも、ひとつも弱音を吐かないんです。ダブルキャストだから、やらなきゃいけないことが同じだけあって、しかもそれプラス、メイさんは初ミュージカルで。でも、

「私、毎日楽しい。楽しくない? 」

（May J.さんの口調を真似ながら話す、佐江ちゃん）

って、言ってきてくれるメイさんと、何回か舞台やミュージカルに出ているのに、超ブーブー、ブーブー言ってるこの私との差っ! メイさんとは楽屋も一緒で、稽古の帰りもよく一緒に帰ってくれるんですけど、私はずっと、ブーブー、ブーブー言ってる。

佐江ちゃん「なんかぁー、全然できなくて。ほんとに、もぉーやだぁ〜」
May J.さん「でも、楽しくない? 」

って。本当にすごいっ! いい人で、めちゃめちゃポジティブ。歌手の方だから、いつもひとりでステージに立っているからなのかなぁ。。強いっ! マジで、心が強いっ!

メイさんは、初舞台ですごい経験をなさっている中で、弱っている姿や、弱音を吐いているのを私は1回も見たことがない! もちろん、聞いたこともない! 帰り際にいつも、

May J.さん「考えすぎないでねー」
佐江ちゃん「えーーっ! なんでそんなこと言えるのぉーーっ! 」

って、“言われても考えちゃうけどねぇ… ”って、思いながら話してます（笑）。一番悩んでいることも、一番悔しいことも、同じだけ共有できているのに、“どうしてこんなに励ましてくれるんだろう”って思うと、本当に強い人だと思うんです。

私にはない強さがあるから、メイさんから学べることが、たっーーーーくさんっ、ある。ほんとに、本当に素敵な人ですよ、メイさん。人として尊敬しちゃう…。でもね、1週間後からまた会えなくなっちゃうから…。

－－ダブルキャストならではの宿命ですね。