それは、顎を引いた時。ですので、逆に顎をやや出す感覚を大切にすることで、「胸鎖乳突筋」を緩めることができます。

「フェース角度をやや挙げて、下顎を前に出す感覚」と同書でアドバイスされています。プロ野球選手がプレー中にガムをかむ姿を見たことがあると思います。

これは、下顎を前にスリップさせる効果があるため。

日本代表女子ソフトボールのピッチャー・上野由岐子さんは、ボールを投げる際に下唇をかんでしまうそう。

確かに同選手のピッチングスタイルを思い出すと、下唇をかみながら投げています。これも下顎をスリップさせ、鎖骨の動きに制限をかけないようにしていたのです。

元中日のピッチャー・山本昌投手も舌を出すことで有名でしたが、これも奥歯をかまないための工夫。

プロ選手の試合中の写真を見てみると、あらゆる方法で、下顎をスリップさせ、奥歯をかまず、体の力みを外す動作を行っていることがわかります。

さて、以上のことを踏まえると、やはり練習中はしかめっ面よりも、笑顔の方が鎖骨の動きが自由になります。もちろん、ただふざけるだけで、練習に集中していないのではいけませんが。

暑い夏の最中ではありますが、これから秋に向けてスポーツの機会は増えてきます。皆さん、笑顔を忘れずに色んなスポーツにチャレンジしてみましょう。