制作会社の倒産で一時は公開が危ぶまれた本作。「お蔵入りになることはない、何かしらの形でやるだろうなと勝手に思っていた」と中村さんは語り、他のキャスト陣もそれにうなずいていましが、一方、山本プロデューサーは、「いっそのこと止めたほうが楽なんじゃないかと思ったときもあった」と当時の苦労を吐露。

しかし、続けて「頭が禿げるかと思いました」と冗談とも本音ともとれる発言をし、「ごめんなさい、ギャグなんですか?」(櫻井さん)「その手のやつは困る」(中村さん)とキャスト陣からは困惑気味の突っ込みが入りました。

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  • ©小林裕和
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舞台挨拶の後半では、MCから『虐殺器官』にちなみ「自分にもしも〇〇器官が備わっているとしたら、どんなもの?」という質問が上がりました。

これに、ゲーム好きで知られる中村さんは「ガチャ器官。ついつい回しちゃう器官が僕の中には政府によって埋め込まれています(笑)」と答え、櫻井さんは「物欲器官が結構強い。同じ店に何回も行くので恥ずかしくて、マスクをしたりして軽めの『昨日来た人じゃないですよ』感を出して行くんですが、レジで『昨日もありがとうございます』っていわれて…(笑)」と語り、お客さんたちは大笑い。

三上さんは「アルコール器官ですね。ついつい飲みすぎて、電車に乗って寝過ごしてしまって…6時間たつとsuicaって出られなくなっちゃうんですよね」と驚きのエピソードを明かし、石川さんは「ネガティブ器官。普通に人にほめられても『どういう意図で発言しているんだろう?』とかいろいろ考えてしまう」と語りました。

そして、山本プロデューサーは、「驚くことにネガティブ器官と言おうと思ってた」と話しつつ、「マングローブが大好きだったので、マングローブ器官。ジェノスタジオはマングローブの遺伝子を受け継いでやっていきたいと思います」とファンにとっては非常にうれしい前向きな宣言をし、これに客席から拍手が起こりました。

『屍の帝国』『ハーモニー』に続く『Project Itoh』の映画『虐殺器官』は、伊藤計劃さんのデビュー作であり、米軍特殊部隊のクラヴィス・シェパード大尉が世界各国の虐殺に絡む謎の言語学者・ジョン・ポールを追うストーリー。2月3日より公開予定です。

フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなし、現在は、映画・マンガ・音楽などエンターテイメントを軸に活動中。「サイボーグ009」を始めとする石ノ森章太郎作品フリーク。

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