【re:START】エンタメ再始動へ向けて。
ぴあではエンターテイメント業界のキーパーソンにインタビューを連載していきます。
【re:START エンタメ再始動に向けて】キーパーソンインタビュー第3回は、株式会社ヒップランドミュージックコーポレーション執行役員であり、「#オンラインライブハウス_仮」発起人の柳井貢氏に、3回にわたってお話をお聞きします。
【エンタメ】マネタイズ法と「生」である価値の追求「#オンラインライブハウス_仮」発起人・柳井貢インタビュー【前編】に続く2回目は「ライブハウス」という枠組みとイメージが伝えるものについて聞いていきます。
(※この取材は、5/14にオンラインで行いました。)
なぜオンラインでありながらキャパシティが決まっているのか?
── 「#オンラインライブハウス_仮」には、当たり前ですが「ライブハウス」という言葉が入っているように、オンライン空間でありながらキャパシティが決まっているというのが特徴的です。これにはどのような意図があるのですか?
柳井 前回お話ししたふたつの軸である、チケット代として入り口でお金をいただくモデルと「生」を追求したコンテンツ、そこにさらに回数を重ねるという目標を加味すると、
プレーヤーにとっては、オンライン上の不特定多数の誰かに向かってやるよりも、ここにいるあなたたちに対してパフォーマンスする方が、「生」という意味合いにおいてプレーのクオリティーが上がるだろう、と。
そしてキャパシティが決まっていることで特定の空間ができて、入場料という仕組みが作れる。という仮説に基づいて、キャパシティを設ける必要があると判断したんです。
だけどそれを言葉での説明や理論だけでなく、印象として感じてもらうのが重要だと思ったんですよね。その印象を具体化する演出として、毎回具体的に「ライブハウス」を設定する必要があったんです。
ただそのライブハウス感というものをどの程度提供できるのか、というところはまだ課題としてあります。
要するに、ユーザー目線で言えば、出演者も大事だけど、どこで行われるかというのも重要なわけですよね。
リアルな世界においては、当然ながらBIGCATもJANUSもShangri-Laもそれぞれ違った個性と魅力があるので。そこの部分に関して言えば、ライブハウス側と一緒になってどれだけ取り組めるかというのが鍵になってくるでしょうね。
僕の妄想としては(笑)、リアルな世界と同じようにオンライン空間でも各ライブハウスのキャパシティがそれぞれに決まっていて、なおかつホスピタリティーも違っている。
オンライン上ではあるけれど、場所としての個性が出てくれば、アーティストがここでやりたい、とか、ユーザーはここで観たい、というふうに定着していくのではと思っています。
例えば、AというライブハウスでXというアーティストがプレイしました。かたや同時に、BというライブハウスにYというアーティストが出演しました。
あるユーザーは、アーティストとしてはXが好きなんだけど、場所としてはBで観る方が好きなんだよな、というように選択肢が増えるのがひとつの理想ですね。