── キャパ設定する上で、そしてコミュニケーションの面でも、たしかに「ライブハウス」という枠組みとイメージが伝えるものって重要ですね。
柳井 そうですね。やっぱり目指したいのは、コミュニケーションをベースにした生のライブ体験なので。アーティストもコミュニケーションが取りやすいですからね、少人数の方が。
オンライン大阪城ホールって、もはやキャパ設定する意味もないし、わけがわからないですからね(笑)。だったらYouTubeでやればいいじゃんって話になっちゃうので。
やっぱりそれぞれのコンテンツに合わせた適切なキャパシティって、あると思うんですよ。落語を1万人のキャパの会場で聞きたいかと言われたら、それは何十人何百人の寄席の方が絶対いいですよね。
音楽も同じで、なんとなくスタジアムやアリーナ、巨大野外会場なんかで体感するものが、すごいと思われがちなんですけど、でもライブハウスで行われているライブには、そこでしか体験できない素晴らしさがある。
ビルボードライブが数千人規模の会場にあえてしないのは、適切なサービスに対してのキャパシティというものがあるからなんですよね。
リアルな世界ではコンテンツに合わせた会場設定とか、それに合わせた需要がある程度みんなわかっている。でもそれがオンラインになると、途端にボケてしまう。みんな一緒くたになってしまうんですよね。
もちろんキャパがないっていうのは、それはそれで有意義なんですけど。全部が全部そうである必要はないし、こういうのもあるよっていうのが「#オンラインライブハウス_仮」ということです。
── 出演されたアーティストのみなさんからはどのような感想がありましたか?
柳井 昨日(5/13「FM802弾き語り部 リモート編♪-at #オンラインライブハウス_仮」@オンライン_心斎橋BIGCAT)出演してくれたLAMP IN TERRENの松本大(Vo&G)に訊いたら、そこに80人の人たちがいて、その人たちが頭から最後まで観てくれていて、その人たちに届けているんだっていう実感があったと言っていましたね。不特定多数に向けてやるよりはやりやすい、と。
ただミュージシャンとしては、音がちゃんと聞こえてるのかな、とか、音自体のクオリティーはどうなのかな、という部分が気になったりというのはあるので、可能性を感じつつも、部分的な不安もセットになっている、というのがミュージシャンの正直なところでしょうね。
── オムニバスのイベント形式のものと、単独でのライブだと、コンテンツの作り方は変わってきますか?
柳井 変わると思います。けどそれは、リアルなものと同じですね。昨日オムニバス形式のものをやってみて思ったのは、例えばアーティスト同士のコミュニケーションがすぐできるというのはオンラインの良いところだなと思いましたね。
リアルの場合だと、転換しなければいけないし、トーク用のマイクや椅子を用意しなければいけないしで、それをやるだけで結構大変なことになってきますから。オンラインだと、ライブのMC中にライブをやっていないアーティストがトークで参加したり、ということも可能ですからね。
今後の公演情報はonlinelivehouse.jpで順次、発表されます。