ハリウッドが、いよいよ撮影再開に向けて動き出した。
先週、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサムは、ハリウッド関係者に、コロナ対策撮影ガイドラインの作成と提出を要請。提出締切は週が明けた5月25日月曜日だったが、それよりひと足早く、22日金曜日には、ジョージア州知事ブライアン・ケンプが、撮影に向けて独自の提案書を発表している。
税金優遇制度を設けて積極的に撮影の誘致を行ってきたジョージア州は、近年、アメリカにおける撮影のメッカに成長してきた。
最近では、たとえば、マーベルのスーパーヒーロー映画や『ワイルド・スピード』シリーズ、Netflixの『ストレンジャー・シングス』、『ウォーキング・デッド』などが撮影されている。
昨年度、映画やテレビの撮影が州にもたらした経済効果は、州にとって史上最高の29億ドル。
これらを支える経験豊かなクルー、立派な撮影スタジオ、ケータリングサービスもそろっている。
ハリウッド映画撮影再開に向けた提案書の中身とは?
ケンプ州知事の提案書に盛り込まれた事柄には、現場の人数を極力減らすこと、カメラが回る直前まで俳優同士の間にアクリル板を設置し直前にそれを外すこと、俳優はできれば家でメイクをして衣装を着てくること、オーディションは対面でなくリモートで行うこと、どうしても実際に会ってオーディションをしたい場合は、時間に余裕を持ってアポを入れ、その人の番が来るまでは自分の車の中で待機してもらうことなどがある。
他には、レンズのトリックを使って共演者同士の距離を実際より近く見せる、撮影中にクルーが食べるスナックはひとり分ずつ袋に入れシェアさせないようにする、といったことも入っている。
しかし、これらの提言、また、カリフォルニアがまもなく発表するガイドラインは、それ自体で成立するものではなく、映画俳優組合(SAG-AFTRA)の了承が必要だ。
俳優たちがまだ不安と感じれば、新たな項目が足されることになるだろう。