予定より公開を早めた作品も
一方で、映画館も、ビジネス再開に向けて期待を膨らませている。
大手劇場チェーンは、かなり前から7月頭のオープンを狙い、6月中旬から準備を始める姿勢を示していたが、最近になって、にわかにそのスケジュールは現実味を帯びてきた。
新作の公開が次々延期される中、唯一7月17日の北米公開日を動かさないできたクリストファー・ノーランの『TENET テネット』も、ほんの少し前まで「無理ではないか」と言われていたのに、今では一転し、たぶん大丈夫だろうと見る向きが強い。
それどころか、さらに状況を楽観したラッセル・クロウの次回作『Unhinged』は、予定より早く7月1日に公開日を変更している。
ただし、まだコロナが収束していない状況とあり、どれだけの人が映画館に駆けつけてくるのかは不明だ。
映画館側は、観客に安心してもらうため、万全の体制を取り、アピールする必要がある。
そのための手段としては、定員は通常の半分かそれ以下に限り、上映回の間には徹底した清掃と除菌のために長い時間を空けること、オンラインでの予約発券をさらに徹底させること、ポップコーンやドリンクなどの販売も事前に決済し、現地で受け取るだけにすることなどが考えられる。
外出禁止令の間、Netflixの会員数が増加したことが示すように、コロナで人はこれまで以上にストリーミングサービスに親しむようになった。
このことが映画館の命を脅かすのではないかという不安がある反面、散々家にこもらされてきた人々は外に出たくて仕方がないはずだとの予測もある。
実際、最近の調査では、映画ファンを自認する人の8割が、「すぐにでも映画館に行く」と答えている。
ハリウッドの再起動=“re:START”が、期待どおり順調に進むことを願いたい。