昨年の模様。会場では観客と監督たちが交流することも。

映画祭は作り手と観客の“予想外の遭遇”

PFFは今年で42回目。その中で社会や映画制作の環境は大きく変化し、映像制作に関するテクノロジーも大きく進歩した。かつて自主映画は8ミリフィルムで撮影し、手作りで仕上げられることが多かったが、現在、多くの応募作品はデジタル撮影。

自身のつくった映像をネットに気軽にアップすることができる時代に、それでも仲間と共に映画をつくり、アワードの入選、スクリーンでの上映を目指す監督たちは何を思って“映画づくり”をしているのだろうか?

「おそらく、YouTubeに投稿している人って“自分が有名になりたい”って気持ちが大きいと思うんです。でも、映画をつくることって有名になるツールではないんですよね。映画の黄金期にはもしかしたら、モテたい、有名になりたいって人が映画制作者の中にはいたのかもしれないですけど、今はそういう人はわざわざ手間のかかる映画づくりはしないと思う。だからいまは昔よりも“ものづくり”に興味がある人が集まってきているんだと思います。

もちろん、稼いでいるYouTuberの人ってすごく真面目に働いて、自分の伝えたいことがあって、そのことが続いている人たちなので、それはそれで本当にすごいことだと思うんですけど、映画づくりはそれとは全然違うもの。いま映画をつくる環境がものすごく貧困になってきていて、そのことが映画が痩せていく原因にもなっていると思うので、映画祭がそこで何をできるのか、何を補うことができるかはいつも考えています」

時間や手間がかかっても自分には描きたいものがある。描いたものを知らない誰かに見せたい。その相手と語り合いたい。同じものを素晴らしいと思える人たちに出会いたい。PFFは単に自主映画を連続して上映する、その優劣を決定する以上の可能性や広がりのある催しだ。まだ誰も知らない映画に偶然に遭遇する。自分でも予想していなかった変化が映画によって訪れる。PFFはそんな作り手と観客の“想定外の変化”の場でもあるのだ。

「“自分は自分でしかいられない”って良いことだと思うんです。それをとことんやれたら、何者かになれる。だからそういうものがある人はそれを貫きましょう。それを周囲は応援しましょうってことですよね」

今年は前売券のみ! チケット発売中
第42回ぴあフィルムフェスティバル
9月12日(土)~26日(土)[月曜休館]
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)
チケット購入はこちら
0570-02-9999 (Pコード:551-184)
※各回とも上映前日の23時59分まで発売
※発券手数料、システム手数料は、一切掛かりません。
※チケットの払い戻し、交換、再発行はいたしません。
※チケットは会場では発券できません。必ず発券して会場までお越しください。