鴻池朋子

<作家ステイトメント>
美術館の中か外かというならば、もはや私はどこであっても、その展示場所に特に違いはないような心持ちになっています。

けれどもひとつ思う事は、美術館の中はとても安全で守られている、それが一番の弱点と感じるようになってきました。

理不尽に聞こえますが、その“妙な感触”は、遡れば東北の震災を経たあたりからより自覚的になってきたように思います。

感覚は言語に先行して情報を捉えます。人間にとって利点であるはずの、「守られている」ということを、なぜ直観力は弱点とするのか探ってみたいと思います。

作品は牛革を縫い合わせ水性塗料を塗っただけの素朴な製法で、いわゆる「絵画」を屋外に晒しているような状態です。

「動物の皮」は天候とやりとりしながら、約1年間、人間の皮膚のように経年変化しタフに歳とっていくことでしょう。
鴻池朋子

◆《コロナ時代のアマビエ》プロジェクト詳細
全期間:2020年11月〜2021年11月
場所:角川武蔵野ミュージアム内・外
※詳細は、角川武蔵野ミュージアム公式WEBサイトをご覧ください。

<展示作家作品スケジュール(予定)>
2020年11月〜2021年3月末:会田誠 《疫病退散アマビヱ之図》 / 2Fエントランスおよび4階エディットタウン入り口にて展示中。
2021年1月〜2021年11月:鴻池朋子 《武蔵野皮トンビ》
2021年3月〜2021年4月:川島秀明
2021年5月〜2021年6月:大岩オスカール
2021年7月〜2021年8月:荒神明香
2021年9月〜2021年10月:secret