そう、そうなんです。これまで朗読劇をあまり観てこなかったから、比べるものがないんだけど、今回の作品は、

「何が起こっていくんだろう」

「あの発言は怪しいな」

とか、頭をフル回転させて観られる作品だと思うので、「スリル」や「切迫感」みたいな感情を、観に来てくれるお客さんには、常に持ってもらえたらいいなって思ってます。

「ご飯の支度してきたっけ?」とか、

「布団干したままで、取り込み忘れた」とか。

一瞬でも気を抜いて、意識を違うことに向けちゃうと、その間に重要な台詞を言っていたりするかもしれないから、もしかしたら、観る側も疲れるかもしれません。でも、やってる方もすごく疲れるから(笑)

本番はまだだけど、エネルギーが凄いと思いますよ、あの空間は。珍しい朗読劇のタイプだと思います。

--やっぱり台本は持ったままで進行するのですか?

常に持ったままです。

でも、台本を置いて動いたりする部分もあります。演出がついているので、そういう面でも見やすいとは思うんですが、出ている間、基本は座っている状態です。座っている部分も常に客席から観られているから、猫背もできないし、もちろん足も開けない。

椅子の背もたれに寄りかかったりもできないし、背筋を伸ばして、首も下げすぎないようにって、常に考えているから、身体がずっと緊張しているというか、張り詰めているというか。

--それは、なかなかキツいですね。

私はダブルキャストなので、もうひとりのキャストがやっている時は、身体の緊張を解いて稽古を見させてもらっていますが、シングルキャストの人たちは、倍やらなきゃいけないので、休憩に入る度にストレッチしたりしていますね。

ずっと同じ格好をしているって、意外と身体にくるんです。共演者の方も言っていたんですが、「エコノミー症候群」的な感じというか。

腕をあげたりもできなくて、ずっと同じ姿勢でいないといけないから、ちょうど、海外旅行で飛行機に乗る前に「よぉーし、ここから長時間戦うぞ」っていう感覚に似ています(笑)

--動きのある舞台やミュージカルとの違いは、思いのほか大きそうですね。

立って動けるのが、身体によくて、楽なことなんだって感じます。

--舞台やミュージカルだと、全身を使って気持ちを表したりできるけれど、朗読劇の場合は、上半身しか使えず、さまざまな感情を表現しなければいけないですよね。そういう所に難しさがありそうですね。

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