そうですね。舞台のお芝居に近いのか、テレビや映画のようなナチュラルなお芝居に近いのか、正直なところ、今も探りながらやっています。
さらに今回難しいのは、描かれているのがネットの中でのお話なので、「ひとり1役」だけじゃなくて、いろんな役を、皆で割り当ててやるという感じなんです。
「声でしか伝えられないんだ」
って、思っているから、稽古初日は、声優さんのような感覚で臨んだんです。
だけど、「そういうことじゃないんだ」って、演出家さんに言われたり、他の人のお芝居を見て気づいたりして。自分で考えていたプランを大変更して、今、稽古に取り組んでいる最中です。
私自身、声優さんのお仕事はしたことがないけれど、今回改めて本当にすごいなぁって思いました。「声を変える」っていう言い方をしちゃいけないんだろうなぁって。
「気持ちが乗るから声が変わる」んだろうなぁって。
難しいんですけど、「声を変えても気持ちは乗らないよ」という感じのことを言われると、確かにそうだなと思うんです。
声優さんたちの中にも、「声を変えただけで、このキャラクターの気持ちには乗っていないでしょ?」って、言われた人は絶対いるだろうなって。
今回、何役かやらせていただくので、最初は、「こういうテンションだから、こういう声が出る」っていうだけの違いで、声を出さなきゃいけないと思っていたんです。それで、声優さんの動画をたくさん見たりして稽古に臨んだんですが、それじゃないんだ、と思って。
「声を変えても気持ちは乗らないよ」って、演出家さんに言われた言葉は、本当に腑に落ちました。
感情が乗れば、上半身しか見えていなかったり、使ったりしていなくても、自然とそれはお芝居になってつながるんだって、今回すごく学ばせていただいてます。
でもねぇ、すごく難しい。朗読劇にこんなに頭を抱える日がくるとは思っていなかったです。ちょっと甘く見ていた自分がいました(汗)
動作がない分、ごまかせないというか。もちろん、今までごまかすために動いた芝居をしたわけではないし、シーンや台詞に伴った動きをしていたけれど。今回は、それ以上に、「動かずに、絶対に台本を見てしゃべる」っていう「きまり」があるから。
例えば、「なんで?」って、いう台詞を言いながら、同時に両手でこうやるのと(両手のひらを上に向けて肩をすくめる、佐江ちゃん)、本を持ったままで「なんで?」と言うのとでは、同じひと言でも、感じ方は違ってくると思うんです。
動作があれば「なんで?」と思っているように見えるけれど、声だけだと「この人、本当に、なんで? って、思っているのかなぁ」と感じてしまう。
声は、一番正直というか。
極端にいえば、「なんで?」のポーズだけでも、ジェスチャーをやれば気持ちは分かりますよね。「なんで?」のポーズをしながら、「やったー! 嬉しい!」なんて、絶対に思っているわけはなくて(笑)
だから、それがすごく難しいなぁって思うんです。だからといって、声だけで伝えたいからオーバーにやると、「やり過ぎ」って言われちゃうし。うーーんッ。正解を探りながらやっているといったところです。
でも…
--でも?
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