1991年に「なかよし」(講談社)で連載が始まり、翌1992年にアニメ『美少女戦士セーラームーン』が放映されてから29年。
「美少女戦士セーラームーン」の人気は今や不動のものとなった。
そして、2021年、劇場版『美少女戦士セーラームーン Eternal』が前編・後編の2作連続で公開中。
「美少女戦士セーラームーンCrystal」シリーズに続く、原作第4期<デッド・ムーン>編が描かれている。
本作品は主人公が美少女戦士という設定から、女の子向けアニメと思われがちだが、国内外、男女問わずたくさんの人に支持されている。
本日は劇場版の公開を記念して、熱烈なセーラームーンファンの男性5名に「『美少女戦士セーラームーン』の魅力」を思う存分語ってもらった。
人生に強い影響を与えてくれる『美少女戦士セーラームーン』
――自己紹介をお願いいたします。
カンディミオンです。映画会社で働いています。
「美少女戦士セーラームーン」は姉の影響で一緒に観ていて、レイちゃん(セーラーマーズ/火野レイ)が登場したときに「これだ!」と思ってから、ずっと好きです。
セーラーマカロンです。テレビ放送が1992年に始まったときに「今期始まったアニメの中でこれが一番好きだ!」と思ってからずっと好きです。
アニメが終わってからも、ずっと好きすぎて拗らせて今に至ります。
花妖魔オチニアンです。表参道でお花屋さんをやっています。
「美少女戦士セーラームーン」は幼稚園児の時に観ていて、雑誌の付録でセーラームーン(月野うさぎ)に変身したりしていました。
漫画もアニメも観ていますが、(今日集まった他のメンバーに比べると)にわかセーラームーンファンかもしれません(笑)。
セーラーゴマちゃんです。「美少女戦士セーラームーン」を最初に観たのは、90年代のアニメ放送当時、小学生のときです。
子供の頃は漫画家になりたくて、よくセーラームーンの絵を描いていました。髪型が特に難しかったことを覚えています。
ずっと絵を描き続けて、今はアートディレクションの仕事をしています。
セーラーおえかきです。ゴマちゃんと同じなのですが、僕も絵を描くのが好きで、よくセーラームーンを描いていました。
今も絵を描く仕事をしていて、それは本当に「美少女戦士セーラームーン」がきっかけだなと思います。「美少女戦士セーラームーン」は自分の人生を決めてくれた作品です。
セーラームーン世代はみんな「楽しめる気持ち」が心の奥に眠っている
――男性から見た、セーラームーンの魅力とは?
セーラーマカロン:「美少女戦士セーラームーン」は戦隊モノのような感じで5人の戦士が力を合わせて戦いますよね。
そういうノリがあったから男の子でもすんなり観ることができたんです。
でも、キラキラと眩しすぎて、男の子が観ているよと言うのはなかなか言いづらいものがありました。どこか恥ずかしいという思いがあって、僕も最初は言えなかったんです。
でも、あるとき友達が家に宿題をしにきて、机の引き出しの中を見られちゃったんですよね。
中には「セーラームーン」のカードがびっしり入っていて(笑)。見られちゃった!って。
そのときは笑ってごまかしたんですけど、このことを学校で言われたら笑いの種になってしまう!という不安がありました。
だから翌日、女の子たちに「昨日のセーラームーンめちゃ面白かったよね!」と自分から言ったら、なんの抵抗もなくみんなが受け入れてくれたんです。
男女の垣根を飛び越えて楽しく話ができました。その楽しそうな空気が伝わって、「俺も実は観てる!」とみんなが言い出しました。
今回の劇場版を観たとき、流行りの言葉で言うと「エモい」と感じました。
変身シーンとか、子供のときに観ていた記憶が蘇って、それだけでも感動しました。
セーラームーン世代の人たちは「楽しめる気持ち」が心の奥に眠っているので、(本作を)観ていただくと、男女関係なく小さいときの気持ちが爆発すると思います(笑)。
カンディミオン:自分の周囲は割と男の子もすんなり観ていて、よくある文集のアンケートの「好きなアニメ」の第1位が男女どちらとも「美少女戦士セーラームーン」でした。
当時の放送が土曜の夜7時のゴールデンタイムだったからというのも大きいと思います。みんな「どのセーラー戦士が好き」という話をしていました。
セーラーおえかき:俺の周りもみんな「セーラームーン」を観ていて、カードダス(トレーディングカード)もみんな集めていた。
花妖魔オチニアン:カードダス懐かしい!(笑)
セーラーおえかき:で、男友達に「亜美ちゃん(セーラーマーキュリー/水野亜美)の絵を描いて」と言われて、書いてあげたりしていました。
セーラーマカロン:男はみんな亜美ちゃんが好きなんだよね(笑)。
「美少女戦士セーラームーン」を観た後は、世界がキラキラして見える⁉
カンディミオン:今回の劇場版は女の子を誘うきっかけにもなるよね。同世代の夫婦だったら観た後に絶対盛り上がると思う。
セーラーゴマちゃん:前編を六本木で観たのですが、やっぱり子供連れが多かったんですよね。
当時リアルタイムで「美少女戦士セーラームーン」を観ていた世代は、今子供がいてもおかしくない年齢でもあるから。
セーラームーンは小さいときに観てたものだから、今でも楽しめる。子供と一緒になって楽しめる作品。
それから、セーラームーンを観た後って世界がキラキラするんですよね。
思い出とか感情移入とか、色々なものを反映しているのかなと思う。
今現に、情報量の多い後編を観た後なので自分の世界もキラキラしている(笑)。
セーラーマカロン:「美少女戦士セーラームーン」はずっと世界観が一貫していますよね。
変身はしているけど、すごい装甲があるわけでもなくひたすら生身で戦い続けてる!
突然お腹にものすごいダメージを受けるのとか、今観ると「すごいことやってる!」と思ったり(笑)。
楽しみ方はやっぱり子供のときと変わってはいるだろうけど、本質は変わっていないのもいいですよね。