目玉は3次元と2次元を融合させたバトル

前回の公演を収録したDVD
『DVD 舞台 VISUALIVE ペルソナ4』 Amazon

アニメや漫画を原作とした舞台の場合、公式ホームページにアップされた写真を見て、「似てる」「似てない」と感想を持っただけで終わってしまっている人が多いと思います。けれど、せっかくの舞台なのですから、生の役者さんが動いたり、しゃべったりお芝居したりするところを見なくてはもったいない! この「VISUALIVE『ペルソナ4』」の最大の魅力は、独特の映像演出を使ってゲームをプレイしている「気分」はきちんと残しつつ、ライヴならではの見どころがたくさん用意してあるところなのです。

舞台の幕が上がると、夢と現実、意識と無意識の狭間にあるという「ベルベットルーム」の美女マーガレットに誘われ、さっそく迫力満点のバトル開始! 主人公がおもむろに眼鏡をかけると、そこはもう怪物「シャドウ」がうごめくテレビの中の世界。長剣を振り回してはばったばったと敵をなぎ倒していく姿は、まさに迫力満点。
 

RPGゲームらしく、主人公の名前は日替わり(ちなみにこの日は「桐島修司」)なのですが、それを演じる馬場徹は、かつて「テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)」の柳生比呂士という眼鏡キャラや、黒澤明の『七人の侍』をベースにしたアニメの舞台化『SAMURAI7』の主人公も演じたことがあるので、眼鏡も殺陣もお手の物。クールなようでいて、ちょっと天然な佇まいは、アニメ版の主人公ともリンクしています。

そんな主人公がペルソナを召還するところは、スクリーンを使って演出。「イザナギ!」と叫ぶと、ペルソナがスクリーン上に現われて電撃を出し、それをくらったシャドウ(こちらは生身の人間が演じています)が次々と倒れていきます。3次元と2次元を融合させたこのバトルこそ、「VISUALIVE」の目玉だと言っていいでしょう。
 

そして、メインとなる高校生たちが1人ずつバトルしながらカッコよく登場。それぞれのキャラと関係性をテンポよく紹介してくれるので、ゲームやアニメを知らない人でも安心です。テニミュなど漫画やアニメが原作の舞台への出演経験豊富な、花村陽介役の前山剛久や巽完ニ役の近江陽一郎ら男性俳優はもちろん、すらっと伸びた足でキレのあるアクションを見せる里中千枝役の佃井皆美を始め、女性陣も奮闘。初登場のアイドル「りせちー」こと久慈川りせ役の鈴木友梨耶はゲーム・アニメ版の「これぞ2次元!」な声優・釘宮理恵のキュートな声に負けず劣らずのかわいさだし、白鐘直斗役の川上ジュリアも「男装の美少女」という難しい役所にチャレンジ。まだまだ女性ファンが多い世界ですが、ちゃんと男子にもお楽しみが用意されているし、主人公たちと共に戦う謎の生き物・クマのトコトコ歩く姿には、癒されること間違いなし。