そのなかで徐々に分かってくるのは、これは単にペルソナとシャドウという怪物とのバトルであるだけではなく、辛い現実から逃れたいという思いと、仲間や家族との絆を信じて残酷でも真実を追い求めたいという思いがしのぎを削るバトルでもあるということ。ある種、2次元と3次元とのバトルにも思えてきてしまうのは、ちょっと行き過ぎでしょうか。
そしてすべてが解決したあと、主人公と仲間たちがお別れするラストシーンも印象的です。両親の都合で1年間だけ親戚の家に居候していた彼は、仲間を残してこの町を去っていく。スクリーンに映された電車のなかに乗り込み、車窓から手を振るその姿は、テレビの中から出てきたような男の子が、またテレビの向こうに帰っていくようで、なんだか感慨深いものがありました。このあたりのオチのつけかたは、野田秀樹作品や宝塚、東宝ミュージカルなどの映像プランナーとしても活躍中の奥秀太郎らしい演出だと言えるでしょう。
2次元と3次元を融合させることで、新たな地平を目指した「VISUALIVE『ペルソナ4』the EVOLUTION」。アニメやゲームの2次元が好きな人も、逆にそういう世界とは無縁だという人にも楽しめる要素満載です。2013年2月15日に公演の様子を収めたDVDが発売決定。
「VISUALIVE『ペルソナ4』the EVOLUTION」 DVD化決定
2013年2月15日発売/アニメイト全店、及びアニメイト通販で予約受付中
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