戸次 大泉と同じで、中年の役者5人をポンと集めて同じことをやってくれと言われても無理だというのはみんな一様に感じていたと思います。要するに僕たちNACS歴25年のキャリアを積んでいるからできることで、他の役者さんではできない、このメンバーの25年の土台があるからこそのこの企画だったと思いますね。最初は不安でしたけど、やってみたら面白かったですし。
安田 僕の中では結成して最初の10年とその後の15年には何かしらの違いがあると思っています。最初の10年は振り返りやすいけれど、その後の15年は振り返りにくいというか、そこまで密ではない気がして。そういう共通認識がお互いありながら、フィードバックして話すことで阿吽の呼吸ができて面白くなるのかなと思います。
森崎 (宣材の)チラシの写真を見るとこれが25年続けているってことだなと思うんです。他の仲間との集まりでも笑いますけど、この写真を見ると、ああ、こんなに笑ってるんだってしみじみ思うんです。ただ、この企画はけっこうパンドラの箱。私たち25年、酸いも甘いもありまして、中々盤石ではない。3年に1回の本公演がTEAM NACSの本質だとしてもグラグラしているわけです。そこにWOWOWさんが加わってさらに揺れ動いたのかなと。
この企画がどう決着するのかは本当に最後まで観てもらわないと分からない。NACSを知る知らない関係なく、ぜひ面白い50歳のおじさんの生態を知っていただく意味でもご覧になっていただきたい。たぶんこういったおじさんの生態を撮るのはWOWOWかEテレだけだと思います(笑)。私としては自然ドキュメンタリーだと思っています。
戸次 あと僕は25年続いた理由は、ひとえに一緒に年を取ろうと決意をしてくれたファンの方々のおかげだと思っています。
安田 確かに。お客様が求めてくださっているからこそ。求めてくださってこの場所にいることの心地良さもありますし、そういう中で出来上がった関係性と環境なのかなと思います。
この人たちとくだらない話をして……イマイチ大人になれない(笑)
――25年の中で1番変化したのはどなただと思いますか?
安田 変わった人は……いない気がしますけどね。どうですかね。
森崎 やっぱり分かりやすいのは音尾くんの髪型じゃないですかね。と言っても全員、大学生のときとは変わっていて、一番はみんなお父さんになったこと。家庭があって守るべきものがあるのは全然違う。ただ、それでも何かをきっかけにあの大学生の頃の演劇研究会の部室の雰囲気にギュンッと戻れるのが僕らの強み。そのときに戻ってこないヤツがいたら、お前変わったなっていう感じだと思います。
音尾 距離感の測り方は変わったかもしれません。それぞれはそんなに変化はないんですけど、やっぱり大人になってから何でもかんでも遠慮なくやっていいわけじゃないんだと理解して(笑)。今なら良さそうだとか、今はダメそうだとか、それぞれが距離をちゃんと見極めるようになりました。
大泉 あはははは(笑)。昔は何しても怒られなかったからね。今はすーぐ怒られるから、絶妙な距離感でやっていますよ。みんなそれぞれ思うことは違うと思いますけど、変わったようで変わっていないようで……。でも下ネタを言ってゲラゲラ笑っているところは変わらないですね。もうおっさんなのにイマイチ大人になれない(笑)。
僕も50に近いわけですけど自分がイメージした50歳じゃ全然ないんですよね。それはこの人たちと一緒にいてくだらない話をしているからかなと思うと、あまり変わっていないのかなとも思いますし。よくここまで大学のくだらないノリでやってきたなと感心しますよ(笑)。
戸次 まあ、大泉さんは変わんねえな~って思います。こうしてすごく和を大事にするところが一貫して変わっていない。
大泉 僕は常に世界平和を求めていますからね。これ書いといてくださいね(笑)。
スタイリング:九(Yolken)
ヘアメイク:横山雷志郎、諸橋みゆき(Yolken)、白石義人(ima.)、西岡達也、岩下倫之(Leinwand)
【衣装協力】
Suzuki takayuki、EPOCA UOMO、MONSIEUR NICOLE、wjk 、NOLLEYS
その他スタイリスト私物
WOWOWオリジナルドラマ『がんばれ!TEAM NACS』
6月20日(日)から放送・配信
毎週日曜夜11時、第1話無料放送