ミッシェル(影山ヒロノブ) 撮影/岩佐篤樹

――そういう風に考えられるって、すごく素敵なことだと思います。今回のライブは配信のみということですが、LAZYとしては初の配信ライブにもなるんですよね。

影山:そう。それぞれやはりコロナということもあって配信でライブをやって来たりもしてるんだけど、LAZYとしては初になるね。

高崎:せっかく広い場所やし、ファンのみんなもたくさん来てもらえるし、ほんまは有観客でやりたかったってのが本音なんやけどね。なんとか有観客でやれないか、いろいろと頑張ってくれてたりもしたんやけど、世の中の状況的にまだちょっと無理そうやし、あんまり無茶しても良くないかなっていうのもあって、今回は配信のみになってしまったんやけどね。そこはちょっと残念なんやけど。

それに、俺自身、お客さんのいない配信自体が初めてってこともあるから、ちょっとそこは心配というか。この広さでお客さんからのレスポンス無しでライブするのキツイやろなとは思うけど。

影山:そう。やっぱりお客さんの声とか、盛り上がってくれて楽しそうにしてくれている姿を感じながらライブするのとは、感覚が違うからね。そういう意味ではちょっと寂しいし、物足りなさを感じてしまうのかもしれないけど、でも、やるからには全力なので、そこは安心してもらえたらとは思います。

井上:僕はまず、1年半ぶりにステージに立つという不安の方が。

高崎:あははは(爆笑)! 配信以前の問題なんやな(笑)。

井上:そう(笑)。でも、昔はライブビューイングとかも限られた場所で、その場に行って観ないといけなかったけど、配信は全世界で観られるということだから、そういう意味では、ここからLAZYの存在を改めて知ってくれる人や、初めてライブを観てくれる人たちもいてくれると思うので、そこは利点だなと思いますね。

高崎:そうやね。1年半前にEX THEATER ROPPONGでやったときも即完だったこともあって、観られなかった人も多かったと思うし、東京でしかやれなかったから、地方の人たちは見られなかったからね。そういう意味では今回全国から観られるというのは、すごくいいことだと思う。そのときも、全国ツアーやりたいねっていう話をしていたんだけど、それぞれが忙しくて、なかなか話がまとまらないままコロナになってしまって、話自体が流れてしまったりもしたから。

井上:そういう意味でも配信というのは、すごくいいよね。

影山:そうだね。たくさんの人たちに観てもらいたいよね。

ライブのテーマはラストアルバム「宇宙船地球号」

――今回、ライブのタイトルが『宇宙船地球号』という、LAZYのラストアルバムと同タイトルになっていますが。

井上:このタイトルでだいたい想像はつくと思いますけどね。

高崎:ライブの構成としては2部構成になっているんですけど、本編はアルバムの流れ通りにやろうと思っていて。

井上:もちろん、「DREAMY EXPRESS TRIP」は高崎くんが歌います!

影山:アルバムの曲順通りってことは、早くも2曲目で歌うという(笑)。

高崎:そう!そこやねん、問題は!2曲目で歌うって、まぁまぁキツイよね(笑)。もう歌わなあかんねや!みたいな。

影山:そうそうそう(笑)。俺も1曲歌ってもう休憩かぁ。みたいな感じだもん(笑)。

一同:(爆笑)

――アルバムの曲順通りではなくセットリストを組むとしたら、どの辺りに置きたいですか?

影山:そりゃもぉ、タッカンとしたら、あったまってから歌いたいでしょ!

高崎:そりゃそうやね(笑)。

井上:でも、アルバムの曲順通りだったりするのもファンの人たちからしたら、より感動的だったりするんでしょうし、そこは頑張らないと(笑)。あと、今回SEが最後のLAZYのライブで使った第1期のSEでもあるので、そこも感動的なポイントなんじゃないかと思いますね。そこは敢えて選びました。

――当時、このアルバムを作られていたとき、LAZYは音楽性の大きな変化があり、この作品がラストアルバムとなった訳ですけど、制作時のエピソードなどはありますか?

井上:当時このアルバムを作っていたとき、ヨーロッパで戦争が起こっていた時でもあって、たくさんの人たちが亡くなったり苦しんでいる状況を目の当たりにして、自分たちなりに世の中に対して思う事を書いて曲を作ったというのは大きかったかな。それが「僕らの国でも」。それまでこういう歌詞を書いて出したことはなかったから。こういうことも歌って伝えていきたいというのが、『宇宙船地球号』というアルバムタイトルに繋がっていったんです。

――「僕らの国でも」が大きなきっかけでもあったんですね。

井上:そうですね。すごく大きかったと思います。

高崎:歌詞は伊集院さん(※伊集院静=作詞家としての筆名は伊達歩)が書いてくれはったんやったね。

影山:伊集院さんも泊り込みで歌詞書いてくれてたね。ステテコで(笑)。

――ステテコって(笑)。今の若い子、わかりませんから!

高崎:あははは。でも、そうやったなぁ。このときのレコーディングは、箱根にあったロックウェルスタジオにみんなで泊まり込みで合宿してやってたからね。でも、とにかくこのアルバムは、自分たちのやりたいように突き進めて作った1枚だったから、そのうちディレクターもプロデューサーも現場に来なくなっちゃって(笑)。でも、みんなで音を直に合わせて録るっていうのも、すごくバンドっぽかったと思う。

井上:今、そういうスタジオ自体も珍しくなってきたからね。宅録が主流になってしまっている時代でもあるから。

影山:そうだね。でも、『宇宙船地球号』には、やっぱり直に音をぶつけ合ったその空気感も、そのままアルバムに入ってると思う。

――そうですね。その貫きがあったからこそ、今も名盤として語り継がれている1枚になっているんだと思います。

影山:そうかもしれないね。“ハードロック宣言”をしてのラストアルバムで、リリース時はやっぱり売り上げが下がったから。でも、結局1番売れたんだよね? 最初はアイドル時代に出したアルバムよりドンッとは売れなかったみたいだけど、ジワジワと売れ続けて、結果累計では1番売れたアルバムになったって、タッカンから教えてもらったんだよね?

高崎:そう。ジワジワと売れ続けたみたいでね。今だに遡って買ってくれてる人たちも多いみたいで。

井上:本当にみんなで向き合っていろいろと考えて作ったね。あ、僕が歌った曲もあったんですけど、このアルバムにはちょっと違うねって入らなかったっていうエピソードもありましたけど(笑)。

一同:(爆笑)!

高崎:でも、本当に40年前に作ったアルバムが、こうして今の時代に古くなっていない状態で届けられるのは、本当に素敵なことやなと思います。

――本当にそうですね。2部はいろんな時代のLAZYが詰め込まれているという。

高崎:そう。2部ではまさにアイドル時代のヒット曲「ベイビー・アイ・メイク・ア・モーション」とか「感じてナイト」もやるので。

影山:これはファンの人たちには嬉しい選曲なんじゃないかな。

井上:最新のLAZYでのレコーディング曲も数曲やるので、楽しみにしていて欲しいですね。