4月16日(金)、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて舞台「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」が開幕。
この度、大阪公演の開幕に際し、舞台写真とオフィシャルレポートが到着した。
本作は、シリーズ累計800万部超の大ヒット作『文豪ストレイドッグス』の舞台化第5弾。
2018年公開の映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』を原作に、朝霧カフカによる書き下ろし脚本で“もう一つの「DEAD APPLE」”を描く。
鳥越裕貴が魅せる、熱量たっぷりの“生命の輝き”
物語はヨコハマ、街の雑踏から始まる。
武装探偵社の会議をさぼった太宰治を探して走りまわる中島敦。
敦はその後、一人の老婆があわや交通事故という場面に出くわすが、奇妙な長髪の男の出現で事故は回避。
敦にはどこか見覚えのあるその男こそ、6年前に起こった龍頭抗争の首謀者・澁澤龍彦だった。
時を同じくして武装探偵社では、「異能力者連続自殺事件」の調査に乗り出しており、澁澤はその容疑者として名前が浮上していた。
そして、そんなふたりを取り巻くように、ヨコハマが深い霧に覆われる。
一方、ポートマフィアでもこの事件を追い、芥川龍之介が指令を受けていた。発生した霧は、異能力者から異能を奪う力があるというのだ。
芥川へ中原中也から下された指令は、澁澤の打倒でなく、澁澤をヨコハマに招き入れた罪人・太宰治の殺害だった。
浅からぬ想いが太宰にある芥川はその指令に驚愕するも、自らの異能を取り戻すべく、太宰らのいる“骸砦”へと向かう。
それぞれの目的を果たすため、探偵社、ポートマフィアが動き出す中、“骸砦”で澁澤と相見える太宰。
そしてそこへ現れる魔人・フョードル。白い衣裳を纏った三人は舞台上でも特出して異彩を放つ。
高い思考を持つ三人の腹を探り合うような会話のテンポが見ている観客を舞台へと引き込む。
今作では、敦、鏡花、芥川が乖離した異能を通じてそれぞれの「壁」と対峙し、それを乗り越えるさまが描かれている。
2017年の初演以来、エバーグリーンな輝きを放ち続ける中島敦役の鳥越。今回は敦の内面奥深くに芽生える苦悩に寄り添う姿を、見事に体現している。
その過程で、乖離した異能力”月下獣”に立ち向かい、自らの過去を受け入れていく敦。
ラストに鳥越が魅せる“生命の輝き”は、まさしく舞台ならではの熱量だといえる。
元ポートマフィアの暗殺者、泉鏡花役・桑江が小柄な体躯を生かしながら舞台を縦横無尽に駆ける様子は“文ステ”シリーズではおなじみ。
霧の中、鏡花は“両親の仇”である異能“夜叉白雪”と相対する。
「鏡花の両親と“夜叉白雪”の真相」に触れ、本当の意味で自らの異能を取り戻す鏡花。
鏡花の深い内面を表出させる桑江の熱演は、“文ステ”の新たな魅力となった。