撮影/小嶋文子

10月20日からMBSドラマ枠「ドラマシャワー」にて放送がスタートするドラマ『永遠の昨日』(毎週木曜深夜放送)。

高校のクラスメイトの浩一と満は、性格が正反対ゆえに強く惹かれ合う仲。だがある日、二人で一緒に登校している途中に浩一が事故に遭ってしまう。とても生きてはいられないような大怪我を負った浩一。しかし、すぐさま起き上がり、何事もなかったように生きて、学校にも通う。ただ日を追うごとに生きている浩一の姿は、満以外の人からは徐々に見えなくなっていき……。

陽気でクラスの人気者の浩一役を演じた小宮璃央と、秀才だが人付き合いが苦手な満を演じた井上想良。“泣けるBL”と話題の原作を実写化した本作にどのようにして向き合ったのか――お互いの印象や、過酷な真夏の撮影現場でのエピソード、キスシーンのときの心境などを語ってもらった。

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苦しくて報われない気持ちにもなりました

撮影/小嶋文子

――今回、お二人は初共演となりますが、初対面のときのことを覚えていますか。

小宮:顔合わせのときだったんですけど、僕はそのときまで誰と一緒に主演をするのか知らなかったんです。だから初めて会ったときに、そのことも同時に知って「想良くんだ~」って思って。

会ったことはなかったんですけど、共通の知り合いがいたので知っていたんです。「ここで一緒になるとは!」と思いながら、楽しみになりました。

井上:僕は(小宮のことを)キラキラしててフレッシュだなと思いました。

小宮:フレッシュかな(笑)。

井上:うん(笑)。

――顔合わせの前に原作や脚本は読んでいたのでしょうか。

小宮:原作は読んでいました。

――そうすると、相手が誰かわからずに読んでいたのですね。

小宮:そうなんですけど、僕、今回のお話をいただいたとき、てっきり自分が満役だと思っていたんです。(原作の)表紙の絵とかを見て、自分は体格が良くもないし「満なんだろうな」って。

井上:僕は自分が満だと聞いていたので、それはわかりながら読んではいたんですけど、相手に関しては「誰なんだろう?」とかは考えずに読んでいました。

撮影/小嶋文子

――改めて脚本という形で読んだときに感じたことはありましたか。

小宮:学校での日常のシーンとかは楽しそうな印象を受けました。僕ら二人とはまた違う味を持った登場人物たちがいて、その人たちと一緒にお昼ごはんを食べたりするところもあったので、「このキャラクターは誰がやるんだろう?」とかって考えたり。

井上:原作では雪のシーンが、撮影時期(8月)の関係もあって雨に変わっていたんですけど、それがこの物語のもう一つの形としてしっくりきました。

雨って悲しいとか、暗いとか、そういう雰囲気もあるじゃないですか。その雨の出す空気感がシーンにハマっているなって。いくつか雨のシーンがあるので、「ここはこういう感じなんだ」とかを考えながら読んでいました。

©「永遠の昨日」製作委員会・MBS

――物語全体としてはどんな感想を持ちましたか。

小宮:読み進めていくうちに自然と涙が出てきて。苦しくて報われない気持ちにもなりました。最初は客観的な第三者の目線で読んでいたんですけど、何回も繰り返して読むうちに浩一の目線から見るようになっていました。

その上で、原作のファンでこのドラマを観てくださるという方も多いと思うので、その皆さんの気持ちがドラマになることで薄れてしまわないようなものを作りたいと思いました。

井上:悲しくて切ない話ではあるんですけど、僕はその中にある温かさを感じました。最後まで観ていただけるとわかるんですが、浩一と満の間には心の奥にしまってる同じような想いがあるんです。

その想いがあったからこそ二人は惹かれ合ったんじゃないかな?と考えると、悲しいだけじゃなくて温かさを感じるんです。「この切なくも温かい青春物語」というコメントを出させてもらったんですけど、まさにその通りで。二人が結果的に共感し合えたことを思うと、すべてが悲しく切ないだけじゃないと感じました。