知らない世界を持っている人には魅力を感じます

撮影/小嶋文子

――小林啓一監督からはどんな演出がありましたか。

井上:先ほども少し話しましたけど、目の使い方や姿勢については監督といろいろと話をしましたし、あと、璃央も含めた三人で話し合うことが多かったです。監督から「ここをこうしてほしい」というより、三人で「ここはこうして行こう」と決める感じでした。

小宮:僕は特撮(ドラマ『魔進戦隊キラメイジャー』)をやってきて、子どもたちに見せるためのお芝居というのが癖付いてリアクションも大きかったりもしたので、まずは本読みの段階でそこを矯正して、リアルがあるお芝居をすることを目指しました。

本番では、小林監督は見せ方がとてもきれいな方なので、目線の配り方とか、セリフの言い方とか、細かいところまでアドバイスをくださって。それを踏まえて想良ちゃんも言っていたように、話し合いをしながら一緒に作品作りができた感覚がありました。

撮影/小嶋文子

――浩一と満は性格的に正反対ですが、お二人は正反対の人に惹かれる感情には共感できましたか。

小宮:自分に持っていないものを持っている人は魅力的だなと感じます。もちろん自分と価値観や考え方が似たようなものを持ってる人と一緒にいた方が楽だなとは思います。

でも全く別のことを考えているがゆえに「そういう考え方もあるんだ」っていう新発見とか、面白いこととかがあって、新しい感情になれるのも大事だとも思うんです。だから僕は全く違う考え方の相方も良いなって思います。

――実際、どちらのタイプの人と付き合うことが多いですか。

小宮:ホントに両方ありますね。例えば、似たような面もありながら、自分に持っていない考え方とかがあるとリスペクトし合えたりもしますし。僕は違う考えだからこそ、リスペクトできるってことはよくあります。

井上:僕は根本は同じ人がいいなというか。物事に対する姿勢がはっきりしていて、芯がある人に同調します。ただその人に一緒のことをやってほしいとは思っていなくて。そこに向かう熱のようなものを共通して感じられたらいいと思うんです。

璃央が言うように、自分の知らない世界を知っている人と一緒にいることで、新しい知識が身についたり、見えなかったものが見えてくることもあるし。

例えばですけど、僕が新宿に住んでいたとして、相手が渋谷に住んでいたとするじゃないですか。そしたら僕は渋谷付近のことも知っていくと思うんですけど、それと一緒だと思います。

だから自分の知らない経験をしていたり、知らない世界を持っている人には魅力を感じます。

撮影/小嶋文子

――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。

小宮:“心臓は止まっているのに生きている”状態になった浩一が、みっちゃんと人生を共にする時間は、最後の最後まで見逃せない展開になっています。ぜひ二人を最後まで見届けていただければと思います。

井上:悲しい切ない中にも温かさがあるお話です。二人の関係もそうですが、二人の周りにいる人たちとの関係がキーとなる部分もあるので、そういう人たちとのやり取りも含めて、最後まで見逃すことなくいろんなものを感じていただけたらうれしいです。

©「永遠の昨日」製作委員会・MBS


“心臓は止まっているのに生きている”状態になった浩一はいったいどうなってしまうのか――そんな不安を抱えながらもお互いを想い合い、愛し合う浩一と満の物語は涙なしには観られないと思います。

ただ井上さんもおっしゃっていたように「悲しいだけじゃない」物語にもなっています。心温まる二人のやり取りに、BL作品ならではの“キュン”もしっかり詰め込まれていますので、最後まで二人を見届けてほしいです。

作品紹介

ドラマ『永遠の昨日』(全8話)
2022年10月20日より 毎週木曜 深夜1:20(※初回のみ深夜1:29)よりMBS、他にて放送
「TVer」「MBS動画イズム」「GYAO!」で見逃し配信1週間あり