北村匠海は周りの脇役たちを引き立てることができる主役

撮影:山口真由子

――完成作を観て、お互いに対して感じたことはありますか?

磯村:僕は今回、遥ちゃん(杉野)の新しい一面が見れた気がして嬉しかったです。直人は他の人たちとは一人だけ違う時間軸の中で動いていて、重要なポジションでもあったから、演じるのは大変だったと思うんです。

でも、そこを真っ直ぐに、一本筋を通して演じてくれていたので、全体が締まったんだなって感じました。直人を全うしていたんだな、と。ただ個人的には“かわいい遥ちゃん”がいなかったのはちょっと寂しかったけど(笑)。

――磯村さんから見ると、普段の杉野さんは“かわいい遥ちゃん”だと(笑)。

磯村:すごくピュアで、周りからも愛される人なので、やっぱりかわいいというイメージはありますね(笑)。

©和久井健/講談社 ©2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

――杉野さんは磯村さんのシーンで気になるところはありましたか?

杉野:タケミチとアッくんが自転車で2人乗りしてるシーン。「楽しそうだな~」って。自転車の2人乗りって、普段はしちゃいけないことだから、映画だからこそできることでもあるじゃないですか。(磯村と)匠海との共演も2回目だし、現場も楽しかったんだろうなって。青春って感じがして、羨ましくなりました。僕はほとんど部屋の中での撮影だったので(苦笑)。

©和久井健/講談社 ©2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

――北村さんとは、お二人とも映画『春待つ僕ら』で共演していて。今回は3人一緒のシーンはありませんでしたが、3ショットのお写真が公式SNSに出てましたね。

磯村:駅で撮ったやつね。一緒のシーンではないけど、同じ場所での撮影があって。

杉野:だから余計に役柄としても会いたかった。

磯村:芝居を一緒にしたかったよね。

撮影:山口真由子

――お二人から見た北村さんはどんな人ですか?

磯村:今回もそうですけど、座長で主演をやっていても、僕らみたいな周りの脇役たちを引き立てることができる人なんです。本来、主役って目立つ立場ですけど、匠海はそれだけじゃなくて、他の人たちと同じ視線で立てる力を持っている。俳優として空気を読む力があるというか。彼の存在を見ていると、だからこそ、今、すごく求められているんだな、と思います。

ただ、それを無理してやっているわけじゃないんですよね。一緒に芝居をしていても、自然とやれているところがすごくいいな、と思います。

杉野:今回、僕が接していたタケミチは、高校時代とは変わって、自分の言いたいことをストレートには言えないようなキャラなんですけど、そこがちょっと匠海自身とかぶるな、と。匠海も腹の底で思っていることを、グッと堪えているのかな?と感じことがあるので、僕にはその辺が重なって見えました。

だから、映画の最後に、タケミチが自分の想いを吐き出すシーンがあるんですけど、そこは匠海自身の普段は言えない想いとかも乗っていたりするのかな?と勝手に思ったりもしてました。