はい。稽古場にいる時から、演出家さんは「今回はシンプルに作りたいんだ」と、よく言われていたんです。私自身、『ピーターパン』といえば、ファンタジーのキラキラした世界観を持っている作品だと思っていたので、
“シンプルと言っても、どういうふうに作っていくんだろう”
って、思っていたんです。
--確かに、観劇した時に、まず、舞台セットがとてもシンプルに作られているなと思いました。シンプルだからこそ、観る人によって、ネバーランド像にもさまざまな想像の余地が与えられているというか。
そうなんです。「観に来てくれたお客さまの想像で、この作品を完成させてほしい」と演出家さんも言っていて。
今回は、ステージの色味もシンプルに統一されているし、ピーターたちがダーリング邸から空を飛んで、ネバーランドへ行く瞬間も、布1枚だけしか使わないセット転換だったりして、本当にシンプルに作られているんです。
舞台やミュージカルでは、稽古場での稽古が終わった後、劇場入りしますよね。その時に初めて舞台セットを見るんです。
これまでの私の経験だと、その舞台セットの迫力があまりにもすごくて、“芝居がセットの迫力に負けてしまいそう”って、劇場入りした時に思う事が多かったんです。
--なるほど。稽古場の環境と、本番の舞台セットとでは大きな差があるという事ですね。
でも今回は、その差を感じないくらい、本当にシンプルに舞台セットが作り上げられているんです。
シンプルがゆえに、演者としては「大人向け」と勝手にイメージしていて、“子供たちは難しいと思わないのかな?”って、私自身思っていたんです。でも、先日両親が観に来て、感想を聞いたら、
「大人向けって佐江は言っていたけど、今までで一番、子どもへのメッセージが強く観えたよ」
って、母が言っていて。それを聞いて思ったんです。“シンプルだからこそ、子どもにはかえってわかりやすくなっているんだ”って。“お客さまには、私が思っているものとは、全然違う世界が観えているんだな”という事も。
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