--すごく短い間に、いろいろな目標を達成するのがAKB48グループの特徴だから、昔は達成までのスパンが短いので「濃い」と感じたのかもしれませんね。山のようにある目標をクリアしていくのはすごい事だし、それはそれで、ひとつの才能だと思うんです。

うん、うん。

--でも今は、達成したい事自体が高くなっているので、その高みを目指すには、さすがに1カ月や、2カ月では達成できない。だからその過程が、いい意味でだんだん延びているのではないかなと思います。

「絶対にこうなる」っていう目標から、「こうなれればいいかな」に変わったというか。よく言えば、視野が広くなったし、悪く言えば、あきらめの気持ちを持つようになったというか。

でも今の方が気持ち的に楽なのは確かです。“絶対に”と思うと、やっぱり気持ちが焦っちゃうから。芸能界だけじゃなく、いろんな仕事についても言えると思うんです。

「遠回りしても、いつかそこにたどり着ければいいや」くらいのテンションに持っていくだけで、少しの失敗も“しょうがない! 次! 次!!”って思える。でもそれが、“絶対にこうなる”と思っていると、“この失敗もったいない、悔しいッ!!”って、なっちゃう。

--自分の期待に、自分が押しつぶされてしまう感じですね。

そうですね。私、絶対主義者だったから(笑)

--先に、“自分が自分を信じてあげなきゃいけないな”って、言っていましたが、いろんな経験を経て、やっぱり自分自身を信じているから、「きっと大丈夫」「自分のタイミングでできる子だ」って、無意識に思えているところがあるのではないでしょうか? (第21回)

信じてるのかなぁ? 自分ではそこまでの自信は、もはやないんですが…(笑) でも、周りからそう言ってもらえるのを求めているシーズンなのかな。

「佐江ちゃん、大丈夫だよ!」

って、お尻ペンペンしたり、励ましたりしてほしい時期なのかもしれません!(笑)

--そういえば、去年に引き続き、今年も8月にリモートでファンイベントがあるそうですね。直接会えない中、趣向を凝らして、ファンの方たちとのコミュニケーションを大事にしていますね。

そこしか甘えられる場所がないからなぁ!

--ファンの方は佐江ちゃんを甘えさせてくれる存在ですか?

そうですね。今の状況では、フィルターを1枚かけて、ファンの方と接しなきゃいけないんですが、そういうフィルターがない状況の時から、一緒にステップアップしてきたから。今更フィルターをかけたくても、かけられない自分がいるというか。

私にとってファンの方々は、家族とか、友だちとはまた違う大切なカテゴリーなんです。

--カッコいいところも、悪いところも、全てを知っている?

知られたくないんですよ。本当は、全部を知られたくないんです。だけど、知られちゃっているというか、皆にバレちゃうというか(笑)

--(笑)。またイベントのお話も聞かせてくださいね! 今日は舞台終わりの取材、大変お疲れさまでした! 佐江ちゃんにとって、今年も素敵な1年になりますように。それでは今回もありがとうございました!

はい! ありがとうございました!


次回の更新は、2021/8/27(金)予定です。

撮影:山田大輔 ヘア&メイク:杉村理恵子

1990年8月13日生まれ。東京都出身。O型。AKB48のメンバーとして活躍。2016年4月1日に旧チームK特別記念公演でグループを卒業。『王家の紋章』、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』、『TOKYO TRIBE』、ユーミン×帝劇vol.3『朝陽の中で微笑んで』、地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』、『ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2』などに出演。連載から生まれた書籍「これさえあれば。」が発売中。Official

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