「絵本の読み聞かせ」でよくあるママの悩みを解決!
共働きのため、本を読んであげる時間がなかなか取れない
仲宗根「まとまった時間に集中して読み聞かせるのではなく、例えば幼稚園に行く前に1冊、お風呂の前に1冊、ご飯の後に1冊など、隙間時間に読んであげてはいかがでしょうか。
日中にしっかり読み聞かせをしてあげていれば、夜寝る前に本が読めなくても罪悪感を感じる必要はなくなりますよ。
私はフルタイムの仕事をしていたので、隙間時間を利用して読み聞かせていました。そのおかげか、高校生になった息子は、隙間時間を上手に使って読書をする習慣が身についています」
子どもが絵本に集中せず、全然聞いてくれない
仲宗根「この場合は、次のことをチェックしてください。
・子どもの集中する時間に読み聞かせをしているか?
子どもが眠い時間や、他のことに集中していたのに、中断させて無理に読み聞かせの時間にしていないでしょうか。子どもが集中できる時間に読み聞かせをしましょう。
・子どもの集中力に合わない長い絵本を選んでいないか?
月齢を気にせずに、最後まで読み終われる短い絵本から始めてみてください。
・集中する速度で読んでいるか?
ゆっくり読むと、集中しない原因になってしまいます。
また、絵本を毎回読んだ後にほめることもしてみてください。『最後まで読んだら認められる・ほめられる』という経験をさせてあげることで、絵本が好きになり、集中して聞けるようになりますよ」
読んでいる途中で子どもに話しかけられたら?
仲宗根「子どもに話しかけられたら、子どもの質問に答えてあげてください。
子どもは『後でね』よりも今すぐ対応してあげることや、納得いくまで丁寧に答えることで、知的好奇心を満たして、探求する力を育てることができます。質問に答えたら、また絵本の読み聞かせをしてください。
子どもと話すときに、一つ注意したい点は、親の価値観を押しつけすぎないということです。
例えば、友達と仲良くする絵本を読んだ後、子どもが『友達におもちゃを貸したくないと思った』と感想を言ったとしても、否定せずに『そう思ったんだね』と、その気持ちを受け止めてあげてください。
そして『ママはこう思うよ』と親の価値観を伝えることで、子どもは善悪や道徳心を素直に育んでいきます」
毎日同じ本を読んでもいいの?
仲宗根「なるべくたくさんの絵本を読み聞かせすることをおすすめします。さまざまなストーリーから疑似体験をすることで、子どもの知的好奇心や経験値が上がっていきます。
その中で子どもがお気に入りで『毎回読んで』とリクエストする絵本なら、何度でも読んでください。お気に入りの絵本は、子どもの価値観や人生観をつくるきっかけになります」
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ご紹介した方法を実践したママたちの中には、子どもの成長を実感でき、ママ自身のイライラや不安がなくなったという人もいるそうです。
子どもと親の両方のためになる絵本の読み聞かせ。ぜひ試してみてくださいね。
【取材協力】仲宗根 敦子さん
親と子のしあわせな未来をつくる、絵本の読み聞かせ方を指導する一般財団法人「絵本未来 創造機構」代表理事。
2017年に協会設立。団体設立からわずか4年で約4万人が講座を体験。海外でも同協会の認定講師約700人が、絵本読み聞かせのプロフェッショナルとして活躍中。著書に『子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方』(パイインターナショナル)がある。