ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が9月9日(木)に開幕する。
本作は、世界的に有名な未解決事件として恐れられた殺人犯・通称“ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)”をモチーフにチェコ共和国で創作されたミュージカルを原作に、韓国独自のアレンジを施し大人気作となったミュージカルの、日本初演。
刑事アンダーソン役と殺人鬼ジャック役を回替わりで演じる加藤和樹と、新聞記者モンロー役を演じる田代万里生の対談を前篇・後編でお届けする。こちらは後編。
「セクシー」って書かれたTシャツを着ているような役柄です
――稽古場での加藤さんの印象をお聞かせください。
田代 実は今、作品のSNS企画で、新聞記者モンローとして稽古場でいろんな写真を撮っているんですけど、和樹くんはどこを撮っても絵になるんですよ!
加藤 いやいや(笑)。
田代 和樹くんのOKテイクの多さにびっくりしています!
――(笑)。わかる気がします。役者としてはいかがですか?
田代 ジャックは、堂珍(嘉邦)さんとのWキャストですが、現段階の僕の中では、堂珍さんのジャックは空中に浮いているような、ミステリアスな力を持ったイメージ。
そして和樹くんのジャックは、地に深く根を張っていて、実存していそうなイメージ。重厚感があります。それに体幹がすごいからアクションもカッコいいし、決めるところはバシッと決めるんですよ。
加藤 地に根を張ってっていうのは、僕のイメージの中でジャックに重みのようなものをすごく感じているからだと思う。
田代 うん。それが和樹くんにすごく似合ってるし、堂珍さんのジャックとそれぞれ対照的で面白くなってる。本当にアプローチが各々違うもんね。白井さんもそれぞれの個性を活かしている感じがします。
加藤 そうですね。
田代 あと、和樹くんは激しい心情の芝居とか激しいアクションをしても、いたって冷静なんです。いい意味で、役に飲まれちゃうことがなくて、いつもちゃんと加藤和樹が役を支配したうえで役そのものになる。そういうイメージがあります。
加藤 あまり役に引っ張られることはないかも。ましてや今回は二役だから、よりそうですね。アンダーソンは溜まっていく一方で、ジャックは発散する一方なので、アンダーソンを演じたあとにジャックを演じるとストレス解消になります(笑)。
田代 そうそう、それと和樹くんは天使(参照:前編)なんですけど、セクシー隊長でもあるので!
――(笑)
田代 天使でセクシー隊長。和樹アンダーソンは、もはや「セクシー」って書かれたTシャツをずっと着ているような役柄です。
2人 はははは!
田代 アンダーソンとしては辛いシーンもたくさんあるんですけど、きっとお客様には萌えポイントがすごくいっぱいあると思う!
以前、仕事で和樹くんのファンの方とお話しする機会があったんですけど、皆さん、「加藤和樹とタバコ」とか「暗闇の中、炎に照らされる加藤和樹」とか……
加藤 (大笑い)。
田代 そういうのが観たいとおっしゃっていたのですが、ここに全部あります!!
――観たいセクシーが全部!
田代 そう!
一同 (笑)。
田代 あと、アンダーソンと元彼女であるポリーとのお芝居で、その佇まいや表情だけでいろんな過去をお客さんに想像させなきゃいけないシーンがあるんですけど、それを和樹くんがやると大変リアルで味があって……。
加藤 ははは!
田代 何があったんだろう?って思う。さらにそのシーンではアンダーソンのやさしさが少しだけ滲むんですけど。強がってるし、いきがってるし、アウトローだし、コカイン中毒のダメなヤツなのに、そこでフッと硬派なりの無言のやさしさを感じさせる。
そこがすごく素敵なんです。なんかね、滲み出るものがあるんですよ。やさしさとか強さとか葛藤とかで湯気が出ている感じ。
――加藤さん的には別に狙っているわけじゃないですよね、きっと。
加藤 狙ってやってたらヤバいヤツですよ(笑)。
田代 やっぱ人生経験が豊富じゃないとセクシーにならないと思うので。
――田代さんの絶賛が止まらないですね。
田代 ははは!