HiHi Jetsのメンバーの力は偉大

ⓒ綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

――本作で描かれている複雑な三角関係についてはどう思いましたか?

なかなかにいびつですよね。現実ではそうそうないとは思いますけど、奪う相手が自分にとっての同性ということに違和感を覚えるだけで、好きな人を取り合うみたいな関係性はよくありますよね。何かを手に入れるために、何かを犠牲にすることはあることだとは思います。

――愛と美雪は正反対のキャラクターですが、作間さんだったらどちらを選びますか?

これはすごい難しいですね(笑)。でも愛は怖すぎるから美雪かな。愛が高校を卒業して4年くらい経ったら、たぶんまともな心を取り戻していると思うから、そしたら愛かもしれないけど。

ただ美雪はすごくいい子ではあるんだけど、いろいろ抱えているものを僕は支えてあげられる自信がないです。だからどっちも難しいです(笑)。

――美雪はたとえの支えになろうとしますが、作間さんはこの人がいたから頑張れた、というようなことはありますか?

基本的には関わってくださっているすべての皆さんがいるから頑張れるというか、恩返ししたいと思っています。「何のために俺は日々を過ごしているんだろう?」と考えたとき、学生時代は何かしら成功するために勉強しているんだろうな、と思っていたんです。

でも、いよいよ高校を卒業して、今の仕事しか選択肢がなくなったとき、本当に人の支えがなければやっていけないと改めて感じたので、本当にありがとうございます、という想いを伝えながらやっていかなくちゃと思いました。

ただお力を借りるときは積極的にお借りして、その分、出世払いじゃないですけど、大きくなれたら返していきたいと思います。今もそうですし、今後もそうしていきたいですね。

ⓒ綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

――今回の出演に関してHiHi Jetsのメンバーから何か声をかけられましたか?

作品とか、演技に関して何か言ってくれることも、僕から聞くこともなかったんですけど、撮影のとき、一人で地方に行っていたので、そのときはメンバーの存在を感じました。気持ちの整理がつかないときに、メンバーが電話をしてきてくれて、それで解消されたこともあって。改めてメンバーの力って偉大だな、って。

――最後に今作の見どころを教えてください。

作品全体として感情の変化がすごくあって。愛、美雪、たとえと、それぞれに思春期ならではの感情があるので、いろんなところに感じるポイントがあると思います。

例えば、最初は愛の目線から観て、次は美雪、次はたとえと変えると、またいろんな解釈もできると思います。観てくださる方には、そういういろんな感情を楽しんでほしいですね。


今作が本格的な映画に出演するのは初となった作間さん。インタビューでは演技経験が浅いことを謙遜していましたが、スクリーンでは難しい役どころをリアルに表現する作間さんに心が動かされます。

作間さんも言うように、観る人それぞれの見方によって、湧き上がる感情が違ってくるような作品だけに、今、思春期の人も、かつて思春期を経験した人も、どちらも楽しめると思います。ぜひ劇場で、作間さんの繊細な心情を体現した演技とともに確認してみてください。

作品紹介

映画『ひらいて』
2021年10月22日(金)全国ロードショー