共通点としては、「表現ができている人」。

全身を使って踊るコンテンポラリーのようなダンスも好きですが、ピンポイントで「踊っているとき、こういう“顔つき”をする人が好き」というものもあって。

ダンサーの友だちに、「踊っているときに、この顔つきをする人って、本当にかっこよくない??」って言っても、「え…、まったく理解できない」って、誰にも理解されないんですが(笑)

「その人の踊り方が好き」っていう好みもあるけど、踊りだけじゃなくて、「顔つき」のようなコアな部分から、トータル的に、その人から溢れ出ているものの雰囲気を見て、好きだと思ったりもしますね。

ダンスの技のすごさは分からないけれど、分からないからこそ、どういう「顔つき」をして踊っているのかをピンポイントで細かく見たりします。

--表情を含めた、全体的なパフォーマンスということですね。

そうですね。幅広い言い方になってしまうけれど、「表現者」としてダンスを踊っている人が、私はすごく好きです。

--ところで、ファンの方たちから「踊っている佐江ちゃんの姿を見たい」という声があったりしませんか?

どうなんだろう? 多いのかなぁ??

今、応援してくれている人、過去に応援してくれていた人を含めて、私のパフォーマンスを見て好きになってくれた人は多いと思うんです。「顔が好き」とかではなくて、劇場公演や、歌番組に出ているときの「歌って、踊って」っていうパフォーマンスを見て、

「この子、誰だろう?」

と、気になって、好きになってくれて、握手会に来てくれる人がすごく多かったんです。なので、これからも自分の得意なものは、もっと伸ばしていきたいと思っています。

--佐江ちゃんのダンスというと、2020年に『ウエスト・サイド・ストーリー Season2』で演じた、アニータ役の佐江ちゃんのパフォーマンスも印象的でした。

あのときも確かに踊ってはいましたが…。自分がそれまでに経験してきたダンスは全く通用しない、ジャンルの違うダンス。何も知らなかったがゆえに、挑戦できたようなものでした。(第29回)

フォトギャラリー【本文未掲載分もあります】「ミラチャイ☆」連載 第29回

あのつらさを知ってしまった後、もう1回できるかといったら無理かもしれないなぁ… (笑)。そう思ってしまうくらい、お稽古も本当に大変でした。コロナ禍で、作品が大千穐楽まで迎えられなかったのは、本当に悔しかったし、中止後も、なかなか立ち直れなくて。

色んな人に観てもらいたいと思っていたし、達成感も毎公演すごかったのは、努力がその分あったからだと思うんです。

繰り返しになっちゃうけれど、もう1回挑むのは、心と身体がボロボロになる!(泣笑)。足の裏の皮も、相当剥けてしまったりしていたから。

--アニータ役の衣装に合わせた、ヒールの高い靴で、あの激しいダンスに一から挑むのは、どれだけ大変だったかと…。

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