――確かに梁さんのライブはステージも客席も一体となるのが特徴です。そして音楽を通して両者の多幸感が融合する瞬間を体感できます。
「公演を体験することで、前向きな勇気を持ってもらいたい。そんな気持ちになって欲しいんですよね。ただ、実は皆さんがコンサート来てくれ、応援してくれることで、まず先に僕が皆さんから力を授かっているんです。その気持ちをライブで皆さんに良い形で還元できたらと思っています。そんな一連のコミュニケーションが、全員のユートピアになっていけば良いなと思っています」
――梁邦彦バンドはリズム隊、ホーン隊を含めて大所帯のバンド編成です。そして多国籍バンドでもあります。そのあたりのこだわりを教えてください。
「僕の音楽はよく映像的と言われるんだけれど、最近の編成では振り幅やダイナミクスをとても重要視していて、それは全体の構成にも大きく関わってくることです。繊細なピアニッシモの演奏やパート、それから大きく翼を広げてダイナミックに羽ばたく瞬間への連続など、ストーリーを考える際、一番表現しやすいという判断で様々な楽器、ミュージシャンが参加してくれることになり、現在の編成に落ち着きました。
そして今回の日本公演は残念ながら韓国のミュージシャンは参加できないけれど、いつもは日韓米のミュージシャンが一緒にコミュニケートすることで音楽が生まれる。この瞬間がたまらなく楽しいんですよね。演奏しているミュージシャンも同じ思いで、最終的に観客の皆さんにも思いが伝達していく。これはインストゥルメンタルだから伝わりやすい部分でもあると思っています」