レースプランは誰が決める?

M:1区は集団でレースが進むことが多いので基本的に運営管理車(監督が乗って選手に指示を出す車)がつきません。選手同士の駆け引きや各自の判断、または沿道にいるチームメイトが監督から受けた指示を伝えたりします。1区の選手がどんなレースプランで挑むかは一つの楽しみですね。

西田:1区の選手のレースプランは監督が出すこともあるし、そうじゃないときもある。その選手の特性によるかな。僕のときは監督から「先頭集団についていけ」という指示で、僕も「先頭集団についていく」と思っていたから上手くマッチしていた。

区間賞を獲る必要はないって思っていて、とにかく早くタスキをつないで早く終わりたいと思っていた(笑)。区間賞を狙おうと思ったら21km頑張らなきゃいけないけど、トップと20秒以内と言われていたから19kmまで頑張ればOKと思っていた。

残り2kmではそんなに離されないだろうと思っていたからプレッシャーは少なかったかな。エースが出るのか準エースが出るのか、それとも1区のスペシャリストが走るのか。各校の思惑がどうでるか楽しみです。

区間配置

M:神大の山藤選手は1区のスペシャリスト感が出てきましたから、1区起用の可能性が高い気がします。

西田:個人的には東洋大の将来のエース候補、西山選手(1年生)がどこに配置されるかというのが楽しみ。高校時代の走りを見て、将来がすごく楽しみな選手の一人です。

M:東洋大の酒井監督は比較的攻撃的な区間配置をするイメージがあります。区間配置や采配は各監督の性格が出るのかもしれません。駒大の大八木監督は比較的オーソドックスな区間配置をするイメージ。奇襲攻撃を仕掛けるというよりはベーシックな配置をするような気がします。

駒大はエース格の片西選手(3年生/過去の箱根駅伝成績:2017年9区4位)と工藤選手(4年生/過去の箱根駅伝成績:2015年4区2位、2016年2区4位、2017年2区6位)をどこに配置するのか。

西田:今年のユニバーシアードハーフマラソンで金メダルと銀メダルを獲った駒大の片西選手(金メダル)と工藤選手(銀メダル)は1・2区か2・3区に配置されるような気がする。2区は上りの適性も必要だから、その適性がどうなのかというところで区間配置すると思います。

東洋大の酒井監督は大会当日の天候なども見て、区間変更をしているみたい。どこにエースやエース格を配置するかというのは楽しみです。

優勝予想

M:混戦にはなると思いますけど、注目は順天堂大学。そして、東洋大、駒沢大も強いかなと。そこに、出雲駅伝優勝の東海大、全日本大学駅伝優勝の神奈川大学、そして、3連覇中の青山学院大学が加わってきます。

さらに1区・2区のでき次第では山梨学院大学も絡んでくるでしょうね。調整次第で上位にくることもあるし、下がることもあります。流れに乗れなかったら優勝候補と思われていてもシード権争いに加わっていることもあります。

前回の箱根駅伝の駒大と東海大がそうでした。逆に力では5・6番手でも優勝するということもあるかなと思います。

西田:優勝校を1校にしぼるならどこかな?

M:1校ですか?私情を挟むならOBなので駒澤大学です。

西田:私情を挟まないで、1校にしぼるとするとどこかな?

M:神奈川大学ですね。西田さんは?

西田:順天堂大学かな。

青学を優勝候補にあげない理由

M:青学は一色選手(現在GMOアスリーツに所属)が卒業したということが、チームにどんな影響を与えているかというところが気になります。

西田:優勝する可能性はもちろんあるけど、最近、やらかすことが多いのが気になります。昨年までは大きなミスをする選手がいなかったのに、今年はミスをしてしまう選手が増えたのかなという印象です。それって、生活とか何か中の部分で崩れてきたのかもしれません。

あれだけ強い選手が揃っていて、そういうミスが出てくるというのは、何か手綱がゆるんでいるのかもしれません。結局、学生スポーツはその辺りがしっかりしていないと、なかなか勝てないのかなと思う。

M:エースの田村選手(4年生/過去の箱根駅伝成績:2015年4区1位、2016年4区1位、2017年7区11位)をどこに配置するかというのがポイントな気がします。2区は向いていないかなと思うので。

西田:4区に持ってくるんじゃない?前に4区走っていたでしょ?

M:距離が短いときの4区を1・2年のときに走っていますね。距離が短いスピード区間の方が田村選手の力が発揮されると思います。

西田:3区にいいかもね。3区にきたら、他の大学にとって脅威になるね。