17の自分は、こんな10年後を想像していなかったと思う
――劇中では17歳の頃も描かれていますが、お2人はどんな17歳でしたか。
成田 サッカー部だったんですけど、ひたすら部活で走らされていましたね。今日、自分の衣装を担当してもらっているスタイリストさんが高校の友人です。毎日一緒に過ごしていました。帰り道、彼が必ず言う一言が「ああ、12時間後にはまたここにいるんだ」なんですよ。
伊藤 あはは。
成田 それくらい部活がしんどすぎて辛い毎日でした(笑)。
――当時は美容師を目指されていたとか。
成田 そうですね。ちょうど17歳くらいのときに美容師になることを考えていました。でもそれも自分の意思じゃなかったんですよ。一緒にいた友人が先生に向かって「俺たち専門学校に行きますんで」って宣言していて、横にいた僕の手も一緒に挙げていました。
そこから、ちゃんと学校に行って免許もとりました。17歳の自分からしたら、こんな10年後があるなんて想像もしていなかったと思う。不思議すぎますよね。
伊藤 私は9歳からこの仕事をやらせていただいていて。たぶん17〜8歳の頃はこの仕事を続けるか続けないかを決める時間でしたね。ちょうど事務所も変わったタイミングで。今の事務所に移る前がいちばん考えましたね、自分がこの仕事に向いているかどうかを。
他の事務所に入るってことは続けるっていうことだし、そうじゃないんだったら何か違うものを見つけないといけない。周りも大学の願書とかを書きはじめる時期で、自分のこれからについていちばん葛藤した時期でした。
――当時の気持ちを覚えていますか。
伊藤 当時はそんなに出ずっぱりというわけではなくて。小、中学生のときの方が、正直オーディションは受かってたんですよね。その頃、ある大人の方から「学生服を着てる君しか想像がつかない」って言われて。もうすぐ本当に学生でもなくなるのに、学生服を着た私しか想像つかないってことは、ここからできる役がどんどんなくなるなって。先が見えなくて、恐怖に近い日々ではあったかもしれないですね。