10年後は、頼れる兄貴になっていたい
――じゃあ、10年後はどうですか。成田さんは38歳になった自分が、伊藤さんは37歳になった自分がどんなふうであったらいいなと思いますか。
成田 映画の現場にいたいですね。今みたいに撮られる側もそうだし、機会があるなら撮る側もやってみたい。どんなかたちにせよ映画と関わっていたいです。今って映画は過渡期にあると思っていて。今回の作品みたいに配信というかたちもどんどん進化している。
これが10年後どこまで進んでいくのかも気になるし、映画とどう共存していくのか、テレビドラマとどう共存していくのかもまったくわからない。もしかしたら10年後には何かがなくなっている可能性もあるわけじゃないですか。できればどれもバランスよく共存していられたらというのが理想ですけど。そういう変化の中でもちゃんと現場に立ち続けていることが、いちばんの望みですね。
伊藤 私もこの仕事は続けていたいですね。もしかしたらどこかでなんかもういいよと思うことがあったら辞めてるかもしれないですけど、今のところは辞める気はまったくないです。この仕事のいいところは、ゴールがないところ。その分、何をやっても楽しいんで、できる限り続けたいです。
――内面的にはどんな38歳/37歳になっていたいですか。
成田 頼れる兄貴になっているのは理想ですね。さっき言った先輩たちのような。愛情と責任感を持って生きていけたらいいなと思います。
伊藤 27歳の時点であまりにも変わらないので、きっと37歳になっても大して変わらないんだろうなって思ってるんですけど。自分なりのペースで、ミリ単位かもしれないけど、ちょっとずつ大人になってると思うんですよ。だからきっと37歳にもなれば、もうちょっとどっしりしてるんじゃないかなって期待も込めて思います。
――では、そんな10年後の自分に聴かせたい歌を教えてください。
成田 『碧の空』ですね。『ニワトリ☆スター』っていう、自分の原点になった映画の主題歌なんですけど、原点を忘れるなよという想いを込めて、38歳の自分に聴かせたいですね。
伊藤 私はSEKAI NO OWARIさんの『TONIGHT』かなあ。初めて聴いたのは19歳くらいのときで、ちょうど仕事がバッてなくなった時期だったんですけど、私の仕事に対する感覚を言い当てられた気がしたんですよ。自分はなんにもできないと思っていたけど、それはなんでもできるってことなんだとか、望んだ人にはなれないけど、自分は自分で戦うしかないんだっていう歌詞が突き刺さって。
あれよあれよとこの世界に入って、ここまでやってきた自分の歴史を順序立てて書いてくれてると勝手に思って号泣したんです。それから今もずっと定期的に聴いているので、きっと10年後の私もこの曲を聴いている気がします。
Huluオリジナル『あなたに聴かせたい歌があるんだ』はHulu独占配信中<全8話>。
ヘアメイク/宮本愛[yosine.](成田凌)、岡澤愛子(伊藤沙莉)
スタイリング/カワセ 136(成田凌)、吉田あかね(伊藤沙莉)