美味しい冷凍ごはんに適した米の選び方
小野寺「炊き立ての際に美味しいことはもちろん、冷めても美味しいお米が、冷凍ごはん向きのお米と言えます。
冷めてもボソボソにならず、ふっくら食感が残る品種を選ぶことをおすすめします。
もちろん好みは分かれますが、甘みや粘りを感じられるお米として、成分的にもち米に近い、『ミルキークイーン』や『夢ごこち』は、モチモチとして冷めても硬くなりにくい特性があります。
また『ひとめぼれ』のように、ふっくらやわらかに炊き上がるお米や、ハリがあり冷めても心地よい食感が残る『つや姫』もおすすめです」
1.ミルキークイーン
小野寺「一般に出回っている品種のなかで、特にもっちり感とやわらかさを感じることができるお米です。
コシヒカリの突然変異から生まれた、低アミロース米品種と呼ばれるものです。
低アミロース米は、粘りが強く、冷めても食味があまり低下しません」
2.夢ごこち
小野寺「コシヒカリの突然変異から生まれた、比較的新しい品種です。
希少な品種のため、『幻の米』と呼ばれることもある、低アミロース・低タンパク米です。
お米は、タンパク質とアミロースの値が低いほどやわらかく、粘りが出て美味しいとされています。
夢ごこちは、粒がやや大きめでボリューム感があり、もっちりとしたやわらかい食感と甘みがあり、冷めてもその美味しさや香りはそのままです。
もちもち派の方にとっては、コシヒカリよりも美味しいと感じるかもしれません」
3.ひとめぼれ
小野寺「全国的に生産されているお米で、さっぱりした口当たりと柔らかさが特徴。
粒は大きめでツヤがあるため、炊き上がりの見栄えもよいです。
ほど良い甘みと粘りで香りもよく、主張しすぎない優しい味わいのため、さまざまなお料理の味を引き立ててくれる、オールマイティな美味しさが魅力です」
4.つや姫
小野寺「山形県オリジナルの新しい品種です。
様々な良食味米のルーツとされる幻の米、『亀の尾』の系譜を受け継ぐ優良品種で、山形県内では県が認定した農家限定で栽培されています。
つや姫は、名前の通り、つややかな美しさが特徴で、大粒でハリがあり、しっかりした食感です。
その味わいは、旨味、香り、粘りなどすべてにおいてコシヒカリをもしのぐとも言われ、噛むほどに美味しさを感じられるお米です」
どれも美味しそうですね! お好みに合わせてお米を選びましょう。
意外と簡単に、冷凍ごはんは美味しくおうちで食べられるんですね。
ぜひお米選びから炊き方、冷凍・解凍のコツを押さえて、最高に美味しい冷凍ごはんを楽しみましょう!
【取材協力】小野寺 理騎(おのでら りき)さん
五ツ星お米マイスター、米・食味鑑定士、株式会社Replow(リプラウ)代表取締役
高校・大学で稲作を専攻。JAやお米の通販企業にて、お米・生産者の新規開拓や販売促進に関する事業を担当。
その他、お米の食育イベントや輸出事業、お米コンテスト企画など幅広い企画に参画。
2020年に独立し、全国各地を周り美味しいお米を作る生産者を発掘し、売り上げ拡大へ向けた支援等を行っている。