対処法:集団行動を無理強いするよりも自分の「好き」を追求できる環境を

たとえばAちゃんに、「どうしてみんなと一緒のことをしなければならないの?」と聞かれても、言葉に詰まるのではないかと思います。特性の度合いにもよりますが、本人のしたいようにさせるのが一番幸せかもしれません。

一見、周りから浮いているようで不憫に思うかもしれませんが、本人に「周りとうまくやりたい」という意識が希薄で、好きなことに没頭しているほうが心地よい場合も多いのです。

集団生活が基本となる学校では、その特性をはっきりと学校に伝え、理解を得てください。自分の世界を持っているということは、強みでもあります。

出典(発達障害の人が見ている世界 精神科医が伝えたいADHD、ASDの人との付き合い方)

ケース2:朝なかなか起きられない一方で、夜はいつまでも寝られない

発達障害の人の約4〜6割は睡眠障害を併発しているとされます。睡眠の問題は子どもにも見られ、ADHDのKちゃん (8歳・女子) も夜はなかなか眠くならず、日中眠くなる傾向にあります。

子どもの場合は、睡眠障害から不登校になったり、授業中に寝てしまったりという問題につながります。

周りはつい「早く寝ればいい」と安易に考えてしまいがちですが、多動や過集中、感覚過敏などからくるストレスや、生活習慣の乱れが原因と推測され、そうそう簡単な問題ではありません。

また、脳機能に起因するのではないかという説も注目されています。