振り回される側も悪くはないのかも(笑)

撮影/小嶋文子

――尾上は基本的に蕪木からは冷たい態度を取られていますけど、それだけに時々見せる優しさにキュンとしてしまいます。お二人はそういう感情は共感できますか。

木村:できますね。普段見せないからこそ、ふと見せる笑顔にキュンとするのは共感します。

山中:そこが蕪木のカッコいいところ、モテるところですからね。

木村:あと蕪木は一つひとつの仕草もカッコいいんです。尾上目線から言うと、カメラを構えているときの顔とか、タバコを吸うときの表情とか。

山中:そっか。そこは自分ではわかってなかったかも(笑)。僕も普段はそういうことを言わないような人から、「お前、いい奴だな」とかって言われるとすごく嬉しかったりするので、尾上の気持ちもわかります。それができる人ってモテますよね。「僕も蕪木みたいになりたい」って思うところもありました。

撮影/小嶋文子

――逆に尾上のように無防備で、助けてあげなきゃって思わせられるようなタイプはどうですか。

山中:自分がどうかは置いておいて、蕪木が尾上を好きになってしまう気持ちはわかりました。

木村:ほっとけない感じがね。

山中:ドラマではそこまで描き切れていないところもあるんですけど、原作だと尾上も結構モテてるんですよ。だから蕪木としては、「他の人に渡したくない」っていう嫉妬心も沸きます。

蕪木は尾上が仲良くしている居酒屋の店長の雅やん(樫尾篤紀)にすら嫉妬してますからね。そこは客観的に見るとかわいいです(笑)。

木村:確かに、あの感じはかわいいね。僕も尾上のことはかわいいなと思います。ただ尾上自身は自分が周りからそう思われていることに気づいていないんです。自然と自分の周りに人が集まっていることとか、そうやって自分が周りに影響を与えていることとか、気付かないのがまた、尾上のいいところでもあります。

撮影/小嶋文子

――尾上と蕪木はお互いに自分とは正反対の人に惹かれていきます。その辺りはどう思っていましたか。

山中:これは難しいな(笑)。

木村:時と場合によるんだよな(笑)。

山中:でもやっぱり正反対はキツいような。

木村:例えば、キレイ好きと、散らかすのが好きな人だと、キレイ好きからするともう無理じゃん。

山中:それは無理かもね。けど、性格とかの、明るいと暗いとかの違いだったら……。自分から言うのもなんですけど、僕たち二人はどちらかと言うと周りを見ているタイプで、優しいい方だと思うんです(笑)。そうなってくると振り回される側になると思うから……(考えて)まあ、悪くはないのかも(笑)。

木村:うん、悪くはない(笑)。それが好きな人であれば。

山中:アリ・ナシで言うと、アリなのかも(笑)。

――普段、周りにいるお友達とかはどちらのタイプが多いですか。

木村:それは自分に似てる人が多いかな。自然と好きなものが似てる人とかが集まっちゃう。

山中:僕は半々……でも、似てる人の方が多いかなと思います。

木村:けど、そんな中にたまに真逆の人が来ると、みんなその人が気になってそっちに集まっていくっていうのもあるかな。