撮影/杉映貴子

ミュージカル『四月は君の嘘』が2022年5月7日に開幕する。2020年7月に上演予定だった本作は開幕目前で全公演中止となったが、今回メインキャスト6名全員が再集結し、ついに幕を開けることになる。

原作は新川直司による同名コミックで、音楽に引き合わされた10代の若き音楽家の卵たちが、大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させていくストーリー。

今回のミュージカル版は、『ジキル&ハイド』『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』『デスノートTHE MUSICAL』などを手掛けるフランク・ワイルドホーン全曲書下ろしによる楽曲、『キューティ・ブロンド』や、『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』などを手がける上田一豪による訳詞と演出、ジブリ映画『かぐや姫の物語』『メアリと魔女の花』の共同脚本でも知られる坂口理子の脚本、という布陣で描かれる。

本作で、主人公の元天才ピアニスト・有馬公生をWキャストで演じる、小関裕太と木村達成に話を聞いた。

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公生くんと重なるような苦しい思いも何度もしている(小関)

撮影/杉映貴子

――ミュージカル『四月は君の嘘』は、2020年7月に上演予定でしたがコロナ禍で中止となり、約2年越しの上演となります。今はどんな気持ちですか?

木村 改めてこの作品を観ていただく機会ができてすごく嬉しいです。今回、初演のメンバー全員が参加できているわけではないので、その方々の気持ちも背負いながら、有馬公生という役を全力で生きたいと思います。

小関 2020年の時は、作品そのものへの期待感、そして開幕する時にどんな自分になれるのかも課題にして、すごく楽しみにしていました。だから、約束されていた未来(公演)がなくなってしまった喪失感が結構大きくて。今となっては、その時期にもなにかしら意味は生まれていると思えるんですけど、当時はなかなかポジティブになれなかったです。

今回ようやく初演を迎えることができて、ようやく僕が持っていた覚悟や準備の時間が報われるんだなとほっとしました。この作品は絶対にやりたかったので。

撮影/杉映貴子

――どうして「絶対に」やりたかったのですか?

小関 まずはこの作品が持っているメッセージです。公生くんはピアニストだけど、その「ピアニスト」の部分って、「役者」に置き換えても、他の職業に置き換えても、ひとりのプレイヤーとしてぶつかる挫折や苦しみは共通していると思うんです。

僕も、挫折とまでは言わなくても、ステージに立つ勇気がないこともありましたし、公生くんと重なるような苦しい思いも何度もしていると、自分自身は思っていて。この作品には、そういう思いを撫でてくれるような、背中を押してくれるようなところがあるなと思います。

恋愛ストーリーですが、「生きる」とか「死ぬ」とか、三角関係も鮮やかに描かれた、いろんな良さが詰まっている作品で、まず僕自身が感動したので、絶対やりたいと思いました。