「私が小学生の頃から習字をやっていて、大人になった今でもきれいな字を書けることに助けられることが多いので、娘にもぜひそうなってほしいと思い、小学校1年生のときに硬筆の教室に連れて行きました。
鉛筆の持ち方から止め・払いまで丁寧に教えてくれる教室で、同じ年頃の子も多く『ここなら娘も落ち着いて書けるかも』と思っていたのですが、まだひらがなを覚えたてだった娘にはプレッシャーが大きかったのか、字を失敗して叱られると泣き出すようになって。
先生から『無理にやらせると、勉強そのものを嫌いになるかもしれません』と言われたとき、娘の気持ちをちゃんと聞いていなかったことに気が付きました。
『行きたくない』『難しい』と言ってきても『あなたのためだから』で済ませていて、本当に私はそう思っていたけれど、娘にとってはわかってもらえないことが悲しかったと思います。
通いたくない場所に無理に行かされるのが楽しいはずはなくて、教室の時間になると元気をなくす娘に『ごめんね』と何度も謝りました。
教室は退会、硬筆や習字はまた別の機会に勧めてみようと思います。
親の願いであっても、子どもの気持ちをきちんと聞かないと、結局は失敗するのだと実感しました」(37歳/公務員)
通わせる目的が親には明確であっても、子どもの気持ちはまた違うもの。
行きたくないのに無理に連れて行かれることは、子どもにとって大きなストレスになります。
「あなたのため」は、押し付けではなく子どもがきちんと納得したうえで通わせたいですね。