2人が考えるキャリアアップとは?
──では次にキャリアについてのアドバイスがいただきたいです。女性のキャリアアップの秘訣って、考えたことありますか?
西野 キャリアアップっていうと、私たちの仕事に、そういう概念はないかもしれない。
田中 確かにね。でも、経験はどんどん重ねているもんね? そうなると……例えばななちゃんは自分で役を選んでいるの?
西野 同時期に複数の作品が重なっちゃうと、どうしてもどれかを選ばなければいけないときは、あります。
田中 これから必然的に、お母さんの役とか来るかもよ~。
西野 どうなんだろう……。
田中 既に結婚している役はあったじゃない。
西野 ありました。でも、自分で想像することは今はまだ難しいかもしれないです。みな実さんはめっちゃ想像できますけど。
田中 私はもう、結構お母さんやってるのよ。今回の映画でもそうなんだけどねっ(笑)!
西野 あ、そうでした。
田中 母親かぁ。プライベートでは想像もできないけど。私たちは年齢や状況にあわせて、自然と役割を変えながら、キャリアを積んでいるのよね。ただ年数を重ねているだけともいえるけど。
──何か迷われる時ってあります? これでいいのかなとか、こっちに方向転換したほうがいいのかなとか。
西野 私はあんまりないかもしれないです。
田中 アイドル辞めてから、いろいろ選択肢があったわけでしょ? バラエティをやっている方もいれば、お芝居で活躍される方もいて。その中でななちゃんは、女優になるって自分で決めたの?
西野 そうです。タレントさんは絶対に自分にはできないと思っていたのもあって。だからって「お芝居はできる」とは言えないんですけど、やっていくことですごく面白そうだとは考えていました。難しいからこそ、やっていくうちに自分の成長が、頑張り次第で知れるかなと。
──日々新しい役に出会う中で、得ていくものがあると考えたんでしょうか。
西野 私的には、毎作品「うーん」ってなりながら挑んで、終わったころには何か1つでもできることが増えてたらいいなって感じです。1個1個やっています。
──今回もそういう意味ではまた新しい挑戦でした?
西野 そうですね、裁判官の役はやったことがなかったですし。今後もう、やることがないかもしれないですが。わからないですけど(笑)。
田中 今後もありそう! だって難しい用語もスラスラって言えてたもん。それは何で?
西野 めっちゃ緊張してたんですけどね。
田中 でも整然と、NG出すことなく言えてた!
西野 集中力全部そこに注ぎ込みました。
田中 集中力高いよね。法律用語も難なく言っていたし……。今後医療ものとか、弁護士役とか、どんどん来るんじゃない? 個人的にななちゃんのそういうの、見たいです。
──キャリア女性の役が似合いそう。
田中 絶対似合うよ。メガネかけて。そういえば(映画の中の)メガネ可愛かったね、買い取ったほうがいいよ!
西野 (作品パンフレットを見ながら)これ!?(笑)。
──逆に西野さんが田中さんのこういう役見たいっていうのはあります?
田中 まず1個も観たことないでしょ私の映画。うちで見せたやつ以外。
西野 ないかも……。
──女友達として仲良しなんですね。
西野 はい。でも、友達の作品全ては観ないかも(笑)。
田中 私は、ななちゃんの出演作は全部観ていますよ。
西野 嬉しいです。
──愛がすごい! 女友達って結婚や出産で離れることも多いと感じるんですが、友情を長持ちさせるコツってなんでしょう?
田中 距離感じゃないですか。私たち、べったり一緒っていうわけじゃないものね。
西野 数カ月に1回、どちらかから連絡する程度です。あと急ですよね、割と。「今夜、何してる?」とか「明日、何している?」とか。
田中 「今、いますか」とか。
西野 そうそう、「今、いますか」(笑)。それがお互いすごく心地よくて。
──ガチガチに約束し合うっていうことは、ないんですね。
田中 約束できない仕事だからこそ、約束に縛られるのはお互いしんどいしね。
──適度な距離感、すごく納得です。たくさんの質問に答えていただき、ありがとうございました!
取材:藤坂美樹 構成:中尾巴
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